建物自体が演劇資料! 国内唯一の演劇専門博物館で演劇史を総ざらい 早稲田大学 坪内博士記念 演劇博物館

創設81年目、所蔵資料は数十万点。常設展示室7室は古代から現代まで時代別に構成されている。(画像クリックで拡大)

 一風変わったこの洋館は、1600年代にロンドン演劇界を賑わせた名劇場「フォーチュン座」を再現している。外観中央に見えるスペースは、実は張り出し舞台。博物館でありながら、舞台機能をも備えているのだ。ロンドンの本家は既に焼失しているため、建物自体が貴重な演劇資料だ。

 所蔵品にはレプリカはほとんどどなく、演劇人などから寄贈された実物が大半を占める。創設に深くかかわった坪内逍遥が、歌舞伎の脚本を手掛けたことから梨園との繋がりが深く、歌舞伎関係の資料は特に充実。8月末までは、初代中村吉衛門が着用していたほつれの残る衣装や、使い込まれた小道具など、ここでしかお目にかかれない展示がある。

 時代別に展示される所蔵品の豊富さと、1階の図書館で貴重資料が閲覧できる便利さを考えると、脚本家らプロの利用が多いというのも納得。一方でやや通好みの展示といえなくもない。演劇初心者には、毎週金・土・日の午後に実施される解説員による無料ガイドがお薦めだ。演劇を楽しむツボが分かってくる。

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築81年の建物は床がきしむが、それも味わいの一つ。

(左)演目『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき』で使用されていた文楽人形「熊谷」が左。首は大江巳之助、人形は桐竹紋十郎による作品。
(中)日本の中世芸能「延年」を描いた絵巻。
(右)民俗芸能の人形の数々。右端は佐渡人形芝居の「のろま人形」。通常、焼却されてしまう祭事演劇の面など、地域の風土を伝える貴重資料が数多く保存されている。(画像クリックで拡大)

(左)シェイクスピアに関する常設室。1932年にイギリスで275部限定出版された『十二夜』愛蔵版とその版木などを展示。
(右)演劇博物館の創設を発案した、劇作家でシェイクスピア研究家の坪内逍遥が使っていた研究室。(画像クリックで拡大)

所在地 東京都新宿区西早稲田1-6-1
TEL 03-5286-1829
アクセス 東京メトロ「早稲田駅」から徒歩7分
開館時間 10:00~17:00(火・金曜は19:00まで)
休館日 祝日・連休の日曜や夏季・冬季の授業休止期間の土日等
URL http://www.waseda.jp/enpaku/
備考 6月1日から30日まで「上海演劇の精華展」を開催中

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