(文=松下 幸子/ライター)

1960年代のアイスランドデザインに焦点を当てた展示。シンプルな木製家具、多機能性など、北欧デザインとの共通性をよく示していた(画像クリックで拡大)

 2010年4月14日に火山が噴火を開始したアイスランド南部のエイヤフィヤトラヨークトル氷河。アイスランド航空によれば、5月10日現在、噴火は現在も続いておりフライトに影響はあるものの、国内での状況や市民生活は、平静に営まれている。

 そのアイスランドといえば、世界金融危機の煽りを受け、2008年末に国家的な経済破綻の危機を迎えていたが、現在、「デザイン」をてこに、経済振興を図り始めているという。

 その一つとして注目されたのが、アイスランドのレイキャビクで3月18から21日まで開催された、第2回となる「デザインマーチ」だ。

 これは、2008年に設立されたばかりのアイスランド・デザインセンターが主催するもので、国内のデザイン産業を振興して内外にアピールするのが目的。今年もアカデミックな展示から、若手デザイナーによるテーマ展示、グローバル市場に関するレクチャーまで、市美術館やギャラリー、目抜き通りのショップなどで街頭型の展示が繰り広げられた。

 思えば日本が北欧デザインブームに湧いた2000年代にも、アイスランドについては不思議と情報がなかった。というのもマネーゲームがこの小国を潤し、海外での消費に忙しかったのだ。

 ところがかの経済破綻危機以降、デザインの存在感が急浮上している。デザインをコストのかからない輸出可能なリソースとして明確に位置付け、経済振興に積極的に活用しているのだ。

アイスランドデザインをいち早く手がけるショップ「epal」での若手デザイナーの展示(画像クリックで拡大)