エアブレードがあの扇風機を生んだ

 さらに興味深いのは、このエアブレードに用いた技術が継承され、ダイソン社の最新作、羽根がない扇風機「エアマルチプライアー」のリリースにつながっている点だ。従来の扇風機の概念を覆す画期的なスタイリングの扇風機として2009年10月に発表され話題を呼んだエアマルチプライアーは、エアブレード開発時に発見した、空気の流れを増幅するテクノロジーを応用し誕生した製品なのだと言う。エアマルチプライアーは、吸気口から吸い込んだ空気を増幅させ、15倍の風量を持つ気流に変換する。一見無関係に見える、掃除機、ハンドドライヤー、扇風機という3製品の共通項は“空気の流れ”に関するテクノロジーだった。この事実を知ると、唐突とも思えた扇風機の開発にもうなずける。

 ダイソン社では、新製品のアイデアが別の製品開発や技術研究から生まれることが多いと言う。ダイソン社が革新的な製品を生み出し続けられるのは、製品のジャンルにとらわれることなく、自社の強みである技術力を最大限に活用できているからにほかならない。

最新の掃除機「DC26 TH COM タービンヘッド」。日本市場に向け大幅な小型化を実現した(画像クリックで拡大)

「エアマルチプライアー」。4月23日から家電量販店での販売を開始する(一部店舗やネットショップで先行販売中)(画像クリックで拡大)