モータージャーナリスト=清水 和夫 氏

チャプター11発動

 クライスラーに続いてゼネラル・モーターズ(GM)の破綻が決まり、オバマ政権は連邦破産法第11章(いわゆるチャプターイレブン)に基づき、当面GMを政府の管理下に置くことを決定した。日本への影響も懸念されるなか、GM破綻の原因やGM再生の可能性について、数多くのメディアが報じている。

 しかし、GMとクライスラーの破綻では事情が異なるし、環境に優しいクルマを作らなかったことが破綻の原因だと決めつけるのは早計だろう。

 クライスラーは既に1980年代後半から幾度も破綻の危機に瀕していた。1990年代後半には日本車や韓国車をライバルとした、コンパクトな低価格車「ネオン」を開発したが、結局、性能や品質の面でユーザーに受け入れられなかった。

 一方、GMは1990年代にカリフォルニア州で「EV1」という電気自動車を市販したが失敗し、小型車も最後まで人気を得られなかった。

 クライスラーもGMも、環境に優しいクルマを開発した実績は持っている。つまり、そこに破綻の原因があるわけではないということだ。米国の自動車メーカーは、もっと別の部分に本質的な問題を抱えているのではないだろうか。あるいは、日本や欧州の自動車メーカーと比べて、企業文化や国の制度の違いなどが影響していたのかもしれない。

 ここでは、GM破綻の原因と新生GMの可能性について、考察を加えながらリポートしてみることにしよう。

GMのプラグインハイブリッド「シボレーボルト」に搭載されたハイブリッドシステム(画像クリックで拡大)