『日本辺境論』、内田樹、新潮社、777円(画像クリックで拡大)

 新書は一時のブームも落ち着き、旬のサービスを紹介するもの以外は大きなヒットが生まれにくくなっている。そんななか、内田樹氏の『日本辺境論』(新潮社刊)はなんと発売10日で10万部を突破、2カ月で22万部を売り上げている。日本の辺境性について書きたいという内田氏の言葉を聞いた担当者が「それはぜひ読んでみたい」と企画。構想5年、執筆3年という年月を要した力作だ。

 日本論の新書というと歴史書のようなものを想像するかもしれない。しかし本書で内田氏は、著名な学者の研究だけでなく水戸黄門やマンガなども例に挙げて「日本人とは何ものか」という問いに答える。担当者によると「この本を一冊読むと、世界像が変わります。いろいろなことに考え方が応用できるので、頭の中身をシャッフルできるのです」という。発刊1年前に内田氏が自身のブログで企画について書いたので、発売前に問い合わせがあるなど事前の期待度も高かったようだ。その後、書店側がファンになり、POP大賞やイベント、フェアなどを出版社と共同で企画するなど、これまでにない応援を受けているのもヒットの一因のようだ。

(文/北本祐子)

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