世界初の青いバラ、「サントリーブルーローズ アプローズ」。花言葉は「夢 かなう」。(画像クリックで拡大)

 バラには真紅や白、ピンクなどさまざま色があるが、これまで“青いバラ”は存在せず、詩や物語のなかでも“不可能の代名詞”として例えられてきた。この度サントリー(本社:大阪市)が、バイオテクノロジーを用いた世界初の“青いバラ”『サントリーブルーローズ アプローズ』を発売し人気を集めている。フロリジン社(本社:オーストラリア)と共同開発した。

 サントリーが“青いバラ”の開発に着手したのは1990年。これまで青いバラが不可能とされた理由は、リンドウやキキョウなどの青や紫色の花に含まれる青色色素、デルフィニジンがバラの花弁には存在しなかったことにある。そこでまず同社は1991年に青いペチュニアの青色遺伝子を取得し、この遺伝子をカーネーションに組み込むことで、1995年に青いカーネーション『ムーンダスト』の開発に成功。これをバラにも試みたがこの色素はバラには合わず、青いバラの誕生には至らなかった。

 その後の研究で1996年にはパンジー由来の青色遺伝子を導入したバラがデルフィニジンをつくることが判明。さらに研究を重ねた末の2004年、青色色素をほぼ100%含む“青いバラ”が完成した。これまでの“青いバラ”は赤色色素の含有量を少なくしたものであり、青というより薄いピンクか灰色に見えるものがほとんどだったという。これに対して『サントリーブルーローズ アプローズ』は色素中に占める青色色素デルフィニジンの割合がほぼ100%なため、より鮮やかな青色のバラを実現している。このバラには遺伝子組み換え技術を用いているため、生産や発売に至るまでにはさらに実験が必要だったが、2008年1月に農林水産省と環境省から認可を取得し、今年11月についに悲願の“青いバラ”が発売された。

 サントリー広報によると、現在東京、名古屋、大阪の生花店を中心に販売しており、価格は1本2000~3000円(オープン価格)。特別な記念日や結婚式などに使いたいという声が多く、年内の販売予定本数6000本は予約が殺到し完売状態となっているという。また11月に初来日した米国のオバマ大統領に鳩山総理大臣がこの青いバラを送ったことが報じられ、さらに注目を集めている。華やかでありながらみずみずしく上品な香りも青いバラの魅力の一つ。「夢 かなう」という花言葉と共に、大切な人へ贈りたいギフトとして今後ますます注目を集めそうだ。

(文/池田明子=フリーエージェント)