写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、ソニーの「Cyber-shot DSC-HX90V」を紹介する。35mm判換算で24~720mm相当をカバーする光学30倍ズームレンズを薄型ボディーに詰め込んだスリム高倍率ズームデジカメで、ポップアップ式の電子ビューファインダー(EVF)も搭載するのがポイント。小型軽量ボディーと充実装備を両立した意欲作の画質を、三井カメラマンに検証してもらった。

 ジーンズのポケットに入ってしまうほどのコンパクトさなのに、光学30倍ズームレンズを搭載したソニーの「Cyber-shot DSC-HX90V」。ポップアップする電子ビューファインダー(EVF)を採用しているので、超望遠域でも安定したフレーミングが可能だった。これからの行楽シーズンに活躍すること間違いなし!

ソニーが6月に発売したスリム高倍率ズームデジカメ「Cyber-shot DSC-HX90V」。小型ながら、ポップアップ式のEVF(電子ビューファインダー)を搭載しているのが特徴。実売価格は5万円前後
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 電子ビューファインダー内蔵で世界最小となるボディーの仕上がりはとてもよい。重量は約245g(メモリーカード、バッテリー込み)で厚さはわずか約35mmなので、バッグにはもちろん、ジャケットやジーンズの後ろポケットにもスッと収まる。いつでもどこにでも携行できるサイズだ。それでいて、カール・ツァイスのバリオ・ゾナー T*ブランドの光学30倍ズームレンズを搭載しているのだから、撮影が楽しくなるのは間違いない。35mm換算で24-720mmのワイドレンジが撮影できるカメラをいとも軽快に持ち歩けるのは、とても魅力的である。

従来モデル「Cyber-shot DSC-HX60V」からボディーを一新して大幅な小型軽量化を図りつつ、新たにポップアップ式の電子ビューファインダーを搭載した
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背面の液晶パネルは上方向に180度チルトし、自分撮りに対応する。3型の92.1万ドットで、タッチ操作には対応しない
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 35mm換算で300mmを超えると、被写体をライブビューでフレーム内に収めるのが難しくなってくる。しかし、HX90Vはポップアップ式の電子ビューファインダーを内蔵しており、ポン!と引き出してやればファインダーをのぞきながら楽々撮影できる。ファインダーは、約63.8万ドットの有機ELパネルを搭載した「OLED Tru-Finder」。像は小さいながらも見え具合は良好で、どのような状況でも意図したとおりの構図がしっかりと確認できるのが素晴らしい。特に、明るい日中の撮影で威力を発揮した。

ポップアップ式の電子ビューファインダーは、ポップアップさせたあとに接眼部を手前に引くことで使える。高級コンパクト「DSC-RX100M3」と同じ構造だ
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 細長く張り出したグリップはホールド感を高めてくれ、超望遠域でも被写体を追いかけるのが容易になり、手ぶれの軽減にも寄与する。ファインダーとグリップを搭載しない兄弟モデル「Cyber-shot DSC-WX500」と撮り比べたが、HX90Vのほうがあらゆるシーンで断然撮りやすかった。HX90Vは、レンズの外周にコントロールリングが設けられていることもあり、露出補正など思い通りの設定が手間なくできるのも好印象だ。価格は高くなるが、もし買うならHX90Vを断然オススメしたい。

HX90Vとレンズや撮像素子が同じ兄弟モデル「Cyber-shot DSC-WX500」。電子ビューファインダーが省かれたほか、グリップやコントロールリングも省略している。実売価格は4万3000円前後
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