合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの料理道具を徹底比較する連載第11回は「包丁の選び方」。料理を始める時にまず必要となるのが包丁だ。とはいってもその種類は果てしない。そこで包丁の選び方から業界の常識を覆す最新の包丁までを紹介。

左から柳刃(鋼)、出刃(鋼)、牛刀(モリブテンパナジウム鋼)、三徳(コバルト合金)、三徳(特殊ステンレス)、シェフナイフ(牛刀、特殊ステンレス)、ペティナイフ(特殊ステンレス)
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 こんにちは! 飯田結太です。今回は、男のための包丁の選び方についてご紹介します。私が初めて持った包丁は、18cmサイズの牛刀でした。ずっしりと重さのあるもので切れ味も良く、今も愛用しています。包丁は、素材によって多少異なりますが、そのほとんどは長く愛用できるもの。メンテナンスをしっかり行っていけば、生涯の相棒になるものも多いのです。

 包丁は和包丁、洋包丁、中華包丁の3つのカテゴリーに大きく分けられます。中華包丁は特殊で中華料理のプロじゃないとなかなか使いこなすのは難しく、男が料理を始めるときには必要ないと思います。なので、今回紹介するのは、和包丁と洋包丁です。

 和包丁は、出刃、柳刃(刺身包丁)、薄刃(菜切)、三徳が一般的な種類。柳刃は刺身包丁の種類のひとつですが、ほかに刺身包丁には、関西で良く使われる先端がとがった正夫(しょうぶ=形状が菖蒲の葉に似ていることから)、主に関東で使われる先端が直角になっている蛸引(たこひき)やふぐ引などもあります。和包丁の特徴は、同じ種類でも刃の厚みが異なるものが多く存在することです。それは食材ごとに包丁を変えていたということ。魚の数だけ種類があるといっても言い過ぎではありません。

合羽橋の料理道具専門店飯田屋6代目、飯田結太氏
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 一方、洋包丁はいくつか種類はありますが、どんな食材にもオールマイティーに使えるものが一般的です。牛刀、筋引き、ペティナイフなどが有名ですね。

 和包丁の中で最も一般的なのが三徳包丁。三徳包丁は、明治維新後に日本に洋食文化が浸透し、肉を食べる機会が増えたことから、これに対応するべく、洋包丁の牛刀をまねて誕生したもの。この1本で魚や野菜、肉まで切れるように作られたんです。

 しかし冷凍食品だけは対応できません。肉などは凍らせたままだときれいに切れるということがよくありますが、三徳包丁では刃が欠けてしまうのでやめましょう。

 また野菜の中でもカボチャは三徳包丁だと厳しいかもしれません。硬い野菜には、和包丁の中でも刃に厚みのあるものがいいでしょう。