写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、シグマが7月10日に発売したレンズ一体型の高級コンパクトデジカメ「dp0 Quattro」を紹介する。個性的なスタイルを採用したdp Quattroシリーズの“第4のモデル”で、35mm判換算で21mm相当の超広角レンズを搭載した最広角モデル。これほどの広角ながら、広角レンズ特有のゆがみを徹底的に排除した光学設計に仕上げているのが特徴だ。2015年2月に開催されたカメラ機器の展示会「CP+2015」で衝撃的に発表されてから5カ月、ついに販売が始まった注目機種の実力をチェックしていこう。

 素晴らしい精細感と独特の描写で写真マニアに人気があるシグマの「dp Quattro」シリーズ。圧倒的なクオリティーと度肝を抜いたボディーデザインで話題を呼び、新たな「Foveon信者」を獲得することに成功した。28mm相当の「dp1 Quattro」、45mm相当の「dp2 Quattro」、75mm相当の「dp3 Quattro」でラインアップが完成したに見えたが、シグマはCP+2015で21mm相当の「dp0 Quattro」を発表。先日、ついに販売が開始されたが、ゆがみがない「ゼロディストーション」の広角レンズの写りに評価が高まっている。今回は、そのdp0 Quattroを試してみた。

シグマが7月10日に発売したレンズ一体型の高級コンパクトデジカメ「dp0 Quattro」。実売価格は、ボディー単体モデルが10万円前後、LCDビューファインダーキットが11万円前後。在庫は比較的潤沢だ
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21mm相当の超広角にもかかわらず、描写にゆがみがない

 シグマの「dp Quattro」シリーズについては、もはや説明の必要はないだろう。詳細は過去記事をご覧いただくとして、最高の描写性能を備えた一体型レンズ、独自のFoveon X3 Quattroセンサー、斬新なフォルムと、孤高のデジタルカメラであることは間違いない。dp0 Quattroにシグマが選んだ焦点距離は、35mm換算で21mm相当の超広角であった。開放F値はF4と明るさを狙わずに光学性能を優先し、ぜいたくな硝材を使ったレンズと設計でゆがみのない「ゼロディストーション」を実現したのだ。

複雑なラインを描くdp Quattroシリーズ伝統のボディーを継承。レンズ一体型のコンパクトデジカメとしては、ボディーはとても大きい
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超広角でもゆがみのない描写を得るため、レンズの張り出しはとても大きい。レンズフードは標準で付属する
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 通常、超広角レンズというと被写体は大きくねじ曲がり、直線はカーブを描いてしまうものだが、dp0 Quattroの21mmは眼の前の光景を魔法のようにそのまま圧縮して閉じ込めたような描写をするのだ。超広角感がないといってもよく、ちょっと不思議な写りをする。しかも、シグマお得意の超高精細でだ。これは正直スゴい。

直線はひたすら真っすぐに気持ちよく写る。これがdp0 Quattroである。風景撮影はもちろん、建築撮影にもピッタリだろう(ISO100、1/250秒、F8.0、-1.3補正)
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21mmという超広角感を意識させない写りをするdp0 Quattro。こういう硬質な被写体は、もっとも得意とするところである(ISO100、1/500秒、F8.0、-2補正)
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dp0 Quattroはモノクロームもいい。撮影時にモノクロームに設定するのもいいが、X3F(RAW)で撮っておき、現像ソフト「SIGMA Photo Pro」でモノクロームにするのもオススメだ。トーン豊かな写真に仕上げられる(ISO100、1/500秒、F5.6、-0.7補正)
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