原宿・表参道に行くと、至るところで人が行列を作っている光景を目にします。

 パンケーキやポップコーンだけでなく、2015年に入って「台湾かき氷」や「ロブスターロール」、「ブリトー」や「クロナッツ」など新たな海外の人気グルメが続々初上陸し、新たな食のブームが次々に巻き起こっています。

 なぜ原宿・表参道が「グルメの街」として脚光を浴びているのか、「bills」や「アイスモンスター」など原宿・表参道の話題のスポットを手掛けたトランジットジェネラルオフィス社長の中村貞裕さんに話を伺いました。

松丸:ここ最近、原宿・表参道エリアには海外のグルメが一気に上陸していますね。

トランジットジェネラルオフィスの中村貞裕社長(以下、中村):弊社が手掛けているだけでも(原宿・表参道エリアは)5店舗(「bills」「GYG(グズマン イー ゴメズ)」「マックスブレナー」「アイスモンスター」「ドミニクアンセル」)あります。一つひとつの店が単体で話題になるより、何店舗かまとまっていたほうがメディアなどが特集を組みやすいですよね。束になってオープンすることでアメーバ式に火がついてブームが小波から大波になり、ライフスタイルに影響を与えるようなトレンドになっていったのではないでしょうか。

松丸:メキシカンダイナーに台湾かき氷、ペストリーなど扱っているジャンルもさまざまですが、いずれも行列ができる人気店ですよね。

中村:原宿・表参道は「食のアミューズメントパーク」になってきているんです。人気のアトラクションに並ぶような感覚で飲食店に並ぶ。それも朝から晩まで何軒も“行列はしご”するんです。アミューズメントパークに行く人は並ぶことを覚悟して行きますよね。それと同じだと思うんです。

松丸:行列はしご、面白いですね! 私自身、並んで食べることがひとつのイベントのような感覚を持っています。「今日は並んでもあのパンケーキを食べるぞ!」と。

中村:行列に並ぶことが一種のトレンドになっているんでしょうね。以前見たテレビ番組で、「なぜ行列に並ぶのですか」という質問の答えの1位が「おしゃれだから」というのには驚きましたけど。

松丸:「おしゃれだから」が理由ですか!

中村:もともと原宿・表参道は流行の発信地で、ファッションで行列ができる街だったんですよ。それが今は食に変わっただけ。「行列が街に戻ってきた」という声をよく耳にします。

松丸:たしかにここ最近、街全体が活気にあふれている印象を受けます。それに以前は「若者の街」という印象でしたが、今は「グルメ」に注目が集まったことで訪れる人の年齢層もさまざまですよね。

中村:そうですね。年代はバラバラでも、共通点としては流行に敏感な人が多く訪れている印象です。キーワードは、「原宿」「表参道」「日本初上陸」「行列」「ニューヨーク」「ハワイ」ですね。

松丸:ドミニクアンセルベーカリーもロブスターロールの「ルークス」もニューヨーク発ですが、たしかに「ニューヨークで行列の店が初上陸」というとチェックしたくなりますね。

中村:弊社のマーケティングは常にニューヨークなんです。東京に限りなく近く、そして東京よりも先を行っているから。ニューヨークは世界の中でも流行の最先端。感度の高い人はそんなニューヨークで流行っている店が日本に初上陸するという情報をいち早く入手し、行列に並んででもチェックするんだと思います。

右がトランジットジェネラルオフィス社長の中村貞裕さん

(写真/稲垣純也)