今回は、キヤノンが2015年5月に発売した「EF50mm F1.8 STM」を紹介する。1万円を切る手ごろな価格で買えたロングセラーモデル「EF50mm F1.8 II」をリニューアル。価格はアップしているが、コストダウンを徹底していた外装はぐっと高級感を増し、コーティングやAFモーターも一新。最短撮影距離も10センチ短縮し、前型にはない魅力を備えている。

 僕自身、標準レンズが好きなこともあり、これまでさまざまなマウントの標準レンズを紹介してきた。どれもそれぞれ魅力があったが、このEF50mm F1.8 STMこそ多くの人に良さを知ってほしいレンズだ。

約25年ぶりに一新したEOSシリーズ用の単焦点レンズ「EF50mm F1.8 STM」。光学系は従来モデル「EF50mm F1.8 II」を継承するが、モーターやコーティングの変更、最短撮影距離の短縮、全長の短縮などの改良が図られた。実勢価格は1万5500円前後
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1987年3月のEFレンズ登場時に発売した初代モデルの光学系を継承

 このレンズの光学系が生まれたのは実に28年前。キヤノンEFマウントの登場時までさかのぼる。1987年3月にEFレンズが登場したときのラインアップは、今に比べるとずいぶん寂しいものだった。その中で唯一の標準レンズがEF50mm F1.8だった。直後には伝説のEF50mm F1.0Lも登場するのだが、当時50mmといえばF1.4がスタンダード。僕はまだ中学生で、やがて高校に進学するとEOSを購入するのだが、なぜF1.4がないのか不思議でならなかった(EF50mm F1.4は1993年6月に発売)。

 そのEF50mm F1.8が2度目のリニューアルで登場したのが今回紹介するレンズだ。デビュー時のEFレンズがすべて現行品ではなくなった今、改良を経たとはいえ、このレンズはEOSの歴史とともに歩んできた貴重な存在といえる。

3時のおやつまであとちょっと。F2.8ではわずかに柔らかさが残り、キレ味の鋭い大口径標準ズームとは違った味わいがある(EOS 5D Mark III使用、ISO100、1/400秒、F2.8)
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そしておやつはあんみつ(?)。近距離で絞り開放にすると、大きなボケとともにふんわりとした描写が楽しめる(EOS 5D Mark III使用、ISO100、1/400秒、F1.8)
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ズームに慣れてしまうとF1.8のボケ味は新鮮かもしれない(EOS 5D Mark III使用、ISO100、1/1250秒、F1.8)
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