「かわいいスクール水着シリーズ」、本来のターゲットは女子中高生

 女子用スクール水着は、「無地の紺か黒で、華美でないもの」が基本だが、時代ごとにユーザーのニーズを汲んだデザインや機能面で工夫を重ねており、需要にも変化がみられる。そもそも「かわいいスクール水着シリーズ」はなぜ生まれたか。根底にはスクール水着における“自由化”のトレンドがある。

 取材記事「“スクール水着”最前線、今や『ワンピース型』は少数派になっていた!」に書いたように、児童や生徒がプール授業で着る水着には、現在、2つのカテゴリーがある。1つは、各学校がブランドやデザイン、カラーを定める「学校指定」。もう1つは、「この水着」と定める学校指定がなく、例えば「無地の紺か黒ならなんでも可」といった最低条件に合う水着を各自が市販品から選ぶ「自由選択」だ。現状では私立の学校は100%指定もしくは指定水着を推奨、公立の小中高の一部が自由選択制を採用している。

 学校のプール現場では2000年代に入ったころから公立学校で“水着自由化”の傾向が徐々に進み、今では「市販品から条件に合うものを選択する」がスクール水着全体の約4割を占める。背景には、ゆとり教育や学校行事の増加で真っ先に体育が削られるなか、プール授業の時間数削減も影響していると聞く。「学校の指定水着はほかの学校用品と同様、高い」という認識をもつ親から、「使用頻度が少ないのにもったいない」といった声が挙がるという。

 スクール水着の平均的な価格帯は、学校指定が2500~4000円、自由選択だと1000~3000円。自由選択の市場には量販店のPB商品も加わるため、安価で手頃なものが増え、どうしても価格差が生じる。

 その競合熾烈な自由選択の市場に向け、「学校色(濃紺や黒)でありながらレジャー水着のかわいさをデザインに盛り込んだ、挑戦の意味合いをもつスクール水着」(同社)といった位置づけで投入したのが、「かわいいスクール水着シリーズ」だ。「無地の紺か黒ならなんでも可」という場合の選択肢の1つとして提案する。競合商品は有名ブランド(※1)ほか、量販店(※2)やスポーツチェーン(※3)のプライベートブランド。本来のターゲットは女子中学生と女子高校生である。

(※1)スクール水着を扱う有名ブランド:ミズノ、スピード、アシックスなど
(※2)スクール水着PB商品を扱う量販店:イトーヨーカドー、イオン、アピタなど
(※3)スクール水着PB商品を扱うスポーツチェーン:アルペン、ゼビオ、ヒマラヤ、ヴィクトリア、スポーツオーソリティなど