ビデオカメラの価格破壊が著しい。10年ほど前までは、ビデオカメラというと10万円以上のモデルが中心だった。「子供の成長記録を撮る」という目的が多いためか、ハイエンドモデルが売れる傾向にあった。しかし今は画質もある程度頭打ちとなり、低価格モデルでもWi-Fi対応などの多機能化が進んだこともあって、実勢価格5万円ぐらいまでのモデルが売れ筋となっている。

 そんな中で、最近急速に注目度を増しているのが「4Kビデオカメラ」だ。ソニーは2014年3月に「ハンディカム FDR-AX100」を発売し、15年2月には小型化した「ハンディカム FDR-AXP35/FDR-AX30」を発売。パナソニックも15年1月に一般コンシューマー向けモデルとしては同社初となる「愛情サイズ HC-WX970M」を発売し、いよいよ本格4K時代の幕開けとなった。

ソニーが2015年2月に発売した「ハンディカム FDR-AXP35」(実勢価格15万6470円)。カラーはブラックとブロンズブラウンの2色を用意する
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パナソニックが2015年1月に発売した「愛情サイズ HC-WX970M」(実勢価格10万4220円)。カラーはブラックとブラウンの2色を用意する
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 2003年のHDV(テープ式ハイビジョンビデオカメラ)、2006年のAVCHDが登場したときと同様に、出たばかりの4Kビデオカメラは保存メディアや再生機器などさまざまな課題を抱えているのは確かだ。とはいえ、フルハイビジョンの4倍もの解像度を持つ4Kビデオカメラに大きな可能性を感じている人も多いのではないだろうか。

 4Kビデオカメラというと最近は米GoProの「HEROシリーズ」やソニーの「アクションカムシリーズ」などアクションカメラにも広がっているが、今回はゴールデンウイークの行楽前にチェックしておきたいソニー、パナソニックの注目4Kビデオカメラを紹介したい。

空間光学補正搭載のソニー VS. 小型軽量なパナソニック

 ソニーが15年2月に発売した「ハンディカム FDR-AXP35」は、1インチの大型センサー(総画素数約2090万画素)を搭載した「ハンディカム FDR-AX100」に比べ、かなり小型化した1/2.3インチセンサー(同約1890万画素)を採用。センサー部全体をフローティング構造にすることで強力な手ブレ補正を実現する「空間光学手ブレ補正」を4K対応ビデオカメラとして始めて搭載した。

 一般消費者向け第1号モデルであるAX100は、高画質を追求したことによって大きさや重さ(撮影時総重量は約915g/付属バッテリー装着時)を犠牲にしてしまった。AXP35はそれに対し、小型センサーを採用したことでコンパクト化を実現。ハンディカムシリーズの一つの特徴であるLEDプロジェクターを内蔵しながら、撮影時総重量は約725g(付属バッテリー装着時)とかなり軽量化した。ファインダー(電子ビューファインダー)を搭載しているのも大きな特徴だ。

ソニーが14年3月に発売した「ハンディカム FDR-AX100」(実勢価格21万5870円)。民生用第1弾は13年11月に発売の「FDR-AX1」だが、AX1はプロのサブ機もしくはハイアマチュア向けという位置付けなので、一般消費者向けとしてはAX100が最初と言える
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ソニーが15年2月に発売した「ハンディカム FDR-AXP35」。同社の売りである空間光学手ブレ補正機構やプロジェクター機能を4Kモデルとして初めて搭載した
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 一方のパナソニックは、14年6月に4K撮影が可能なアクションカメラ「HX-A500」などを発売したものの、液晶ディスプレイを搭載するAVCHD対応の一般消費者向けビデオカメラとしては15年1月に発売した「愛情サイズ HC-WX970M」が初のモデルとなる。

パナソニックが14年6月に発売した、4K撮影が可能なアクションカメラ「HX-A500」(実勢価格2万9800円)
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パナソニックが15年1月に発売した「愛情サイズ HC-WX970M」(実勢価格10万4220円)
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 WX970MもハンディカムAXP35と同様に1/2.3インチセンサー(総画素数約1891万画素)を搭載するが、撮影時総重量はAXP35に比べてかなり軽い約447g(レンズフード装着時で約475g)を実現した。

 WX970MはAXP35のようなプロジェクター機能は内蔵していないが、AXP35が光学10倍ズーム(全画素超解像ズーム:15倍)なのに対し、光学20倍ズーム(iAズーム:25倍)とズーム倍率が高いのが魅力となっている。14年モデルから愛情サイズシリーズに搭載して人気となっている、サブカメラの映像を“ワイプ”として同時記録できる「ワイプ撮り」に対応しているのもパナソニックならではの強みだ。ただし、AXP35と違ってファインダーは搭載していないため、液晶ディスプレイを見ながらの撮影のみとなる。

 4K動画の撮影フォーマットは、ソニーが「XAVC S」(約100Mbps、約60Mbps)なのに対し、パナソニックは「MP4形式」(最大72Mbps/VBR)という違いもある。

 では、今4Kビデオカメラを購入するならどちらがいいのか。価格.comの口コミ掲示板の情報から探ってみることにしよう。