3万円以下ならこれ!

カキモリ「鉄棒」

カキモリ「鉄棒」(2万1000円)
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 カキモリのオリジナル万年筆。まるで一本の鉄の棒のような真ちゅう製の軸は、金属職人の技が詰まった作品だ。ペン先はドイツのシュミット社製。一本ずつ手作りする少量生産ながら、2万1000円という買いやすい価格なのも魅力。

 ずっしりと重くてひんやりと冷たい感触の軸は書いているうちにぴったりと手の中に収まり、指先にピタリと吸い付く。キャップのねじがグリップ側ではなくペン先側に切られていて、指が段差やねじの部分に当たりにくいのもポイントだ(人さし指の先は段差にかかるが、それで指が痛いということはない)。

 ペン自体の重さでほとんど力を入れずに書けるのも、金属軸の万年筆ならでは。重さのバランスが良いせいか、ペン先が指の動きに敏感に反応し、文字がとても書きやすい。

 本当に繊細な万年筆なのだが、見た目はワイルドというギャップも面白い。真ちゅう軸はプレーンなタイプのほかに装飾や着色が施されたバージョン(2万5000円)もあるし、少し廉価なアルミ軸タイプ(1万9000円)もある。重さや握り心地はそれぞれ違うので、実際に書き比べて違いも確かめてほしい。個人的には軸の経年変化も楽しめるプレーンな真ちゅう軸がおすすめだ。

キャップはねじ式。ねじがキャップの途中に付いていて、軸側もペン先に近い部分にねじが切ってあるため、指がねじを切った部分に掛からず持ちやすい
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ペン先はドイツのシュミット社製。真ちゅうの見事な加工技術もこの万年筆の見どころ
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バリエーションも豊富。左の2本はアルミ製。右の2本は真ちゅうの装飾&着色タイプ
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人さし指の先はねじにかかるものの、筆記にほぼ影響はない。ペンの重さによって小さな力でペン先がよく動き、少ない力で書き続けられる
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ペリカン「スーベレーンM400」

ペリカン「スーベレーンM400」(3万円)
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 どんなシチュエーションでもスイスイと気持ちよく書ける、万年筆のロングセラーにして世界的な名品。その使いやすさは最初の一本としても、生涯の一本としても最適だ。

 書き始めるといきなり手になじみ、スーッと心地良く書けることに驚く。もちろん、日本語を書くという部分だけで比べれば、セーラーやパイロットの同価格帯の万年筆のペン先の精度の高さにはかなわないだろう。しかし、大きな手にも小さな手にも寄り添うようになじむ、細めの軸の絶妙なサイズバランスやペン先のしなり具合、適度な書き応えとタッチの気持ち良さ、筆圧でインクの量をコントロールできる安定したインクフローなど、書く道具としてとても優れているのだ。

 またインク吸入機構を内蔵しており、たっぷりと本体内に収められるため、長時間の筆記でもインクの補充が最小限で済むのがうれしい。しかもインク吸入機構内蔵型はカートリッジやコンバーターに比べてインクが詰まりにくく、キャップさえしていれば長時間放置してもペン先が乾きにくい。

 ペリカン独自の縦ストライプの軸デザインもカッコいい。ただ外国製品は日本製品に比べて個体差が大きいので、購入前に試し書きをして自分好みの一本を選ぶことが重要。軸色は、緑縞、青縞、赤縞、黒、ホワイトトートイスの5色、ペン先もEF(極細)、F(細字)、M(中字)、B(太字)、BB(極太)から選べる。

樹脂を貼り合わせて作られる縞模様の軸はカッコいいだけでなく、しっくり手になじむな。筆記時にはキャップを付けなくてもバランスは悪くないが、後ろに付けたほうがよりスムーズに書ける
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ペリカンの絵の刻印が入った14金のペン先はしっとりと書けるが柔らかすぎず、多少筆圧をかけても大丈夫。この価格帯の万年筆にしてはやや小振りだが、日常の筆記にはちょうど良い大きさだ
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軸色のバリエーションも豊富。左から、緑縞、青縞、黒、赤縞、ホワイトトートイス
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万年筆らしさと実用的な筆記具の両面で高い水準にある、とても完成度の高い筆記具だ
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