“プロっぽい写真”を撮るにはどうすればよいのかを、その道のプロに聞く本企画。今回のお題は「料理写真」。レストランやホームパーティー、日々の食卓……誰もがスマホで気軽に料理を撮影するようになった今、スマホならではの料理写真の撮り方を、 料理写真家の木村文吾氏が提案する。

 私は「食」に関わるさまざまなテーマの撮影に携わる写真家で、主に広告や雑誌を中心に料理や食材、産地、食に関わる人々を撮影しています。

 スマートフォンを持っている人なら、スマホで料理の写真を撮ったことがない人はいないでしょう。この連載では、スマホを使って料理を撮るということを、少し違った観点から考えながら、スマホで料理の写真を撮るためのアイデアや方法論を提案していきます。

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 まず料理写真では多くの場合「おいしそうに見える」ことが求められ、「シズル感」という言葉がよく使われます(シズル感は20世紀半ばに米国で活躍した営業コンサルタントのエルマー・ホイラー氏が提唱した、成功するセールストークの5つのメソッド「ホイラーの公式」の第一条「ステーキを売るな。シズルを売れ!」に由来する)。

 ジュワーッととろける瞬間やパチパチと焼ける具合、グツグツと煮えている様子など、見た人が「おいしそー!」と反射的に感じる写真を撮ることに、我々プロは日々格闘しています。そのために、湯気を作る専門のスタイリストがいたり、シズル感を演出するための道具が開発されたりしているわけです。

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