実写化で味わいが増したグルメマンガ2作

深夜の食事がテーマだけれども、見ると食欲が抑えられなくなりそうな…。

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『深夜食堂』安倍夜郎

 小林薫主演で実写化された、食を通じて浮かんでくる人間模様を描いたマンガ。元祖“夜食テロ”とも称されるドラマ第1部が放送されたのは、2009年秋。この秋にはドラマの第3部、来春には映画公開が予定されている。

 主人公があちらこちらへ出歩く『孤独のグルメ』とは異なり、とある繁華街で深夜から明け方にかけて営業する小さな食堂が舞台となっている。赤いウインナーや豚汁定食、フライドポテトなど、食堂を訪れる人々の食へのこだわりや思い出から小さなドラマが明かされていく。

 ドラマ第2部放送中の2011年には、クオリティの高さに定評があるグルメ雑誌『dancyu』が作中の料理を解説した『深夜食堂×dancyu―真夜中のいけないレシピ』(小学館)も発売された。

 待望の第13巻が9月末に刊行予定。ドラマや映画の予習としても。
(小学館/既刊12巻/各743~762円)

オンナだってひとりでぶらりと店に入りたい。肴をつまみながらお酒を楽しみたい。

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『ワカコ酒』新久千映

 今秋のドラマ化が決まった『ワカコ酒』。年齢を問わず珍しがられる女性のひとり酒を、人目を気にせずにゆったりと楽しむ26歳のOLを描いたグルメマンガだ。

 主人公の村崎ワカコがひとりでふらりと店に立ち寄り、五感をフルに使って肴を味わう様子は、『孤独のグルメ』で井之頭五郎が見せる「食へのこだわり」に通じる。ドラマ版のおまけコーナーでマンガ原作者の久住が店を訪れて酒を片手に舌鼓を打つ「ふらっとQUSUMI」にも似ているかもしれない。

 基本は外食、たまに家飲み。焼き鮭と日本酒、豆のサラダとウィスキー、もつ煮込みと芋焼酎の水割り…。肴と酒の取り合わせで、幸せを感じる一瞬が数ページ単位で描かれていく。

 マンガで特徴的なのが、主人公の満足感を表す「ぷしゅー」という謎の音(?)。ドラマでどう表現されるのか、演出に期待したい。
(発行:ノース・スターズ・ピクチャーズ、発売:徳間書店/既刊3巻/各562円)

(文/土田みき)