今回は、タムロンが今年の4月に発売した高倍率ズームレンズ「16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO」を取り上げたい。すでに個人的にも愛用しており、自信を持っておすすめしたい一本だ。

タムロンが4月に発売した高倍率ズームレンズ「16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO」。APS-C型の撮像素子を搭載したデジタル一眼レフカメラ専用で、キヤノンEFマウント用、ニコンFマウント用、ソニーAマウント用の3種類を用意する
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 僕が写真を始めた20ン年前、ズームレンズといえば「便利だけど描写性能が落ちるもの」とされていた。その当時、一眼レフのキットレンズといえば、まだ50mmの単焦点が常識だった。一方で、廉価な一眼レフに高倍率ズームをセットにしたものが、新聞の通販広告によく掲載されていた。僕が中学生のころに初めて触った一眼レフは、友人からの借り物だったが、まさにその組み合わせ。しかし、ピントがどうやっても合わなかった。今思えば、描写が相当甘かったのだろう。

 そんなわけで、高倍率ズームにはあまりいい印象がなく、世間の評価も決して高くはなかった。しかしここ数年、光学技術の進歩でその評価は完全に覆されたといってもいいだろう。その先駆者がタムロンだ。古くから高倍率ズームを手掛けていたが、2010年に発売した「18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD」がヒット。それからわずか4年で、広角端・望遠端をそれぞれ拡大したこのレンズを投入した次第だ。

 意欲的な交換レンズを次々と投入するシグマに比べると、ラインア ップの少ないタムロンは保守的に感じることもある。しかし、自信作のヒットに決して満足することなく、ユーザーメリットをとことん追求し続けるところは、立派なチャレンジャーだと思う。

スカイツリーの“全身”を広角端16mmで撮影。次のカットと見比べてほしい(EOS 7D使用、ISO100、1/400秒、F8、25.6mm相当)
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上の写真と同じ場所から、こちらは望遠端の300mmで。この倍率の差は大きな魅力だ(EOS 7D使用、ISO200、1/500秒、F8、480mm相当)
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ほぼ最短撮影距離での撮影。さすがに描写はやや甘くなるが、ボケ味も柔らかく、花の撮影には向いていると思う(EOS 7D使用、ISO400、1/125秒、F6.3、480mm相当)
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