今回のテーマ:夜空を見上げると、太陽と同じような恒星がたくさん光を放っている。でもその恒星たちは、自分からは光を放っていない星である惑星を持っているのだろうか? 惑星の存在を確認するには、光らない星を見つけるための技術が必要だった。

 実は現在、太陽系の外側、別の恒星のまわりを巡っている太陽系外惑星がものすごい勢いで見つかっている。最初のひとつが発見されたのは1995年だが、2014年6月6日現在、存在がきちんと確認されているものだけでも1795個もの惑星が見つかっており、その数は刻一刻と増えつつある。しかも木星のように巨大なガスの惑星だけではなく、地球のように岩石でできた小さな惑星も確認できている。

 かつて天文学者たちは、「そもそも太陽系以外に惑星は存在しているのかどうか」を議論していた。ところが、さまざまなバリエーションの惑星が見つかるようになった今は「より普遍的な惑星系(恒星を回る惑星など天体の集まり)とはどんなものなのだろうか」を考えるようになった。

 でも、地球に近いところにある太陽系の惑星たちならともかく、はるか彼方、何十、何百光年も離れた恒星の周囲を回っている、自らは光をだすこともない惑星を、天文学者たちはどうやって見付けているのだろうか。

500光年離れた宇宙で発見された地球と似た惑星「ケプラー186f」のイメージ図(出典:NASA)
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地球に引っ張られて、太陽も動く??

 惑星を見付ける一番わかりやすい方法は、「恒星の位置を精密に調べる」ことだ。太陽と地球を例に取ると、地球は太陽の重力に引っ張られて、太陽のまわりを回っている。この時、ごくわずかだが、太陽も地球の重力にひっぱられて、1年周期で位置が変化している。地球と太陽とをひとつのものとして考えたときの重心(共通重心)を中心にして、地球も太陽も回っているのだ。「地球が太陽を回る」ということを正確に言うと「地球は太陽との共通重心のまわりを回っている」ということになる。この時、太陽も地球との共通重心のまわりを回っているわけだ。

 つまり、太陽の動きを精密に測定すれば、たとえ地球が見えなくても「地球という星が存在する」ことが計算で分かる。この方法をアストロメトリ法という。

 1940年代から、この方法による太陽系外惑星探索が始まった。特に、オランダの天文学者ピート・ファンデカンプ(1901~1995年)は、アストロメトリ法を使った太陽系外惑星の発見に生涯をかけ、1960年代には太陽から5.9光年離れたところにあるバーナード星という恒星の周囲に惑星を発見したと主張した。ところが残念なことに、これは後に測定機器の誤差に起因するもので、発見は誤りだったことが明らかになった。1995年5月18日、失意のうちにファンデカンプは94年の生涯を閉じる。