『花子からおはなしのおくりもの』税込み2160円(USMジャパン)
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写真が村岡花子氏。朗読の中では『フランダースの犬』のパトラッシュはレオという名前になっており、最後はハッピ―エンド。「7~8分という短い時間で子どもが悲しい気持ちにならないように」という花子さんの優しさが込められている 写真提供:赤毛のアン記念館・村岡花子文庫
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 NHKの連続テレビ小説「花子とアン」のモデルで、『赤毛のアン』の翻訳者である村岡花子氏。彼女の肉声を録音した童話朗読CD『花子からおはなしのおくりもの』が2014年4月に発売された。発売元のユニバーサルミュージックの星野広繁氏は「予想以上の反響で一時品薄になりました。丸の内のCDショップHMV PREMIUM丸善丸の内では同じ館内にある丸善で村岡花子氏の関連本を買った帰りにこのCDも買う人が多いと聞いています。50代前後の女性を中心に人気を集めています」と話す。

 収録されているのは、村岡花子氏が翻訳した『フランダースの犬』『小公子物語』『家なき児』などの海外の名作に加え、彼女が創作した童話『利口な小兎』など全9作品だ。それぞれのSP盤は1933年から1940年に発売されており、戦災で焼失したものも多く、現存する数はかなり少ない。しかし、戦前レコード文化研究家の保利透氏が所有していた、ポリドールから発売された音源を中心に、日本コロムビアや九段下の昭和館、金沢蓄音器館の協力を得て発売が実現。村岡花子氏の孫、村岡美枝氏と村岡恵理氏の姉妹も初めて聴いた音源もあり、資料としての価値も高い。

 CD化に際し、SP盤独特のパチパチというノイズをどこまで軽減するかという点に気を配った。カットしすぎると花子さんの声が持つテイストまで消しかねないので、原音の良さを残しつつ、聴きやすさを追求しながら調整を重ねたそうだ。

 「村岡花子氏は戦前、子ども向けのラジオ番組の中でニュースを分かりやすく解説するコーナー『子供の新聞』を担当し、“ラジオのおばさん”として人気を集めていました。その格調高く品のある語り口は今聴いても魅力的」(星野氏)。

 購入者からは「ドラマのモデルの生の声が聴けたことは感動的」(40代女性)、「きれいな日本語ですてきな朗読でした」(50代女性)、「村岡さんの実際の声が聞けて良かった」(50代女性)などの声が届いているという。

 星野氏は今後、都内の各所で蓄音器での視聴会を行う企画も検討している。

(文/池田明子=JVTA)