価格.comのデジタル一眼カメラの売れ筋ランキングでは40位前後と奮わないものの、主要な量販店の販売データを集計するGfKの売れ筋ランキングで不動の1位を獲得し続けている製品が存在する。キヤノンの「EOS Kiss X5 ダブルズームキット」だ。3年以上も前に発売された旧製品にもかかわらず、圧倒的な人気をキープしている。だが、そのような無敵の王者にも、世代交代の足音が忍び寄りつつあるようだ。

キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X5」。発売から3年以上経過しているにもかかわらず、いまだにデジタル一眼のジャンルで屈指の売り上げを誇る超ベストセラーだ
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▼デジタル一眼カメラの売れ筋ランキング(GfK調べ)
デジタル一眼カメラの売れ筋ランキングを見ると、キヤノンの「EOS Kiss X5 ダブルズームキット」が見事に1位を獲得している(調査会社GfK調べ、4月14日~5月11日集計)

EOS Kiss X5、最新機種並みの装備を持ちながらこなれた価格が人気

 キヤノンの入門者向けデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss」シリーズは、現在4種類ものモデルが併売されている。最新の装備や機能を盛り込んだ「EOS Kiss X7i」と「EOS Kiss X7」(いずれも2013年3月発売)、装備を簡略化した低価格モデル「EOS Kiss X70」(2014年2月発売)、さらに最古参のEOS Kiss X5だ。

バリアングル液晶を搭載し、ライブビューや動画撮影の利便性を高めた最新モデル「EOS Kiss X7i」
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新設計の小型軽量ボディーを採用した最新モデル「EOS Kiss X7」。ライブビューや動画撮影時のオートフォーカスも高速化された
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装備を抑えた低価格モデル「EOS Kiss X70」。売れ筋のダブルズームキットを用意していないこともあり、人気はいまひとつ
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 EOS Kiss X5の発売は2011年3月と、なんと3年以上も前だ。現行のEOS Kiss X7iの前には、2012年6月発売の「EOS Kiss X6i」が存在していたため、実に2世代前の機種となる。後継機種の登場で手ごろな価格になったひと世代前の機種が売れることは珍しくないが、2世代も前の機種がコンスタントに売れ続けるのはかなり珍しい。

 これほど根強い人気を獲得している理由は、装備と価格のバランスがよいためだ。画像処理エンジンこそ旧世代のDIGIC 4を搭載するが、有効1800万画素のAPS-C型CMOSセンサーや撮像素子のゴミ取り機構、フルHD対応の動画撮影性能、104万ドットの3型バリアングル液晶など、カタログ上の主要なスペックは最新のEOS Kiss X7iとほぼ同等。高感度撮影も、拡張時に最高ISO12800相当まで設定でき、各社の最新モデルに劣らない。

EOS Kiss X5の背面(左)。3型の高精細バリアングル液晶やボタン配置など、最新のEOS Kiss X7i(右)とほとんど変わらないのが分かる
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 それでいながら、価格は大幅に安い。EOS Kiss X7iのダブルズームキットの実勢価格は8万9000円前後なのに対し、EOS Kiss X5のダブルズームキットは6万円前後。実に3万円近い差がある。EOS Kiss X7iと比べて基本的なデザインが変わらず、古くささを感じさせない点も評価されているポイントの1つだ。

平均価格の推移グラフ。EOS Kiss X7i ダブルズームキット(緑)やEOS Kiss X7 ダブルズームキット(紫)と比べると、EOS Kiss X5 ダブルズームキット(青)はかなり安い。とはいえ、価格差は縮まりつつある 価格.comのトレンドサーチから引用 Copyright (c) Kakaku.com, Inc. All Rights Reserved.
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 価格.comの口コミ掲示板では、デジタル一眼をまだ買ったことのない人から「購入を検討しています」という質問が多く寄せられており、EOS Kiss X5のコストパフォーマンスの高さが入門者を惹き付けていることが分かる。「ダブルズームキットならば、あとはSDカードを用意するだけでさまざまな撮影が楽しめる」「価格は安いが性能は十分でお薦め」と、カメラに詳しい人からの評価もおおむね良好だ。