注目の起業家ドン・ヒュン・キム氏のコリアン・ファストフード店オープン

「キムチー・グループ」の創立者、ドン・ヒュン・キム氏。1973年韓国生まれ。1999年に渡英。ストリート・フードの屋台で成功し、2002年にスシ・チェーン店「ワサビ」を立ち上げる。現在はロンドンに25店舗以上を構え、押しも押されもせぬ人気のブランドに。2011年に満を持して「キムチー」レストランをオープン。今やロンドンを代表するレストラン起業家のひとり
[画像のクリックで拡大表示]

 予約を一切受け付けないのも「キムチー」の大きな特徴だ。このポリシーにより、ランチタイムや週末のディナーには入り口付近に行列ができ、この行列は新たなお客を呼び込む格好のパブリシティとなっている。このように、入念に店のコンセプトが練られ、ディテールにこだわった完璧なブランディングが光る「キムチー」。その仕掛人とは、韓国人起業家のドン・ヒュン・キム氏であり、彼こそが、2002年にスシ・チェーン店「ワサビ」を立ち上げ、今では同店をロンドンで最も活気のあるファスト・フード・ブランドに成長させた人物だ。

 自国の料理であるコリアン・フード・レストランをオープンすることは長年の夢だったというキム氏だが、2000年初頭は、まだ英国における韓国の知名度は低く、まずは日本食で勝負に出たという。「そして4年前、『ワサビ』の経営も順調に伸び、長年温めてきたコリアン・フード・レストランをロンドンで展開する、機は熟したと感じました。そして2011年に 『キムチー』を立ち上げました。モダンなイメージを前面に出し、プレゼンテーションをできるだけカラフルに仕上げました。そして何よりも、オーセンティックな料理を手ごろな値段で提供する。高すぎない値段の設定は、ブランド成功への大きなキーです」とキム氏。

木材や石など、ナチュラルなマテリアルがふんだんに使われ気品を感じさせる店内。この雰囲気が、従来のファスト・フードの店と一線を画している
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年4月、同氏は「キムチー」のファスト・フード版ともいえる、テイクアウトを中心にした「キムチー・トゥー・ゴー」を立ち上げ、現在はロンドンの一等地に2店舗を展開している。ファスト・フードとはいえ、「キムチー」のラグジュアリーな雰囲気を踏襲する洗練されたインテリア、ビビンバやトシラク(韓国風ベントー・ボックス)などのパッケージ・デザインも美しく、こちらもキム氏の卓越したブランディングの才を感じざるを得ない。メニュー構成も、プルゴキなど伝統的な料理にフレッシュな野菜をふんだんに使い、ヘルシーさを強調。オープンしてまだ1年とはいえ、ランチタイムには毎日長い行列ができるほど人気だ。「NYやLAでは、コリアン・フードは既に大きなブームになっている。常に新しい味を求めているここ英国でも、今後大きく成長していくと予想される。「キムチー」グループとしては2015年までに、新たに5店舗オープンさせる予定」とはキム氏の弁だ。

カウンターの左右には、韓国製の美しい陶磁器などが飾られている
[画像のクリックで拡大表示]
サイド・ディッシュとして人気の、キムチ・クック(キムチ・スープ)と韓国風みそ汁
[画像のクリックで拡大表示]