ユニークな装備を搭載したことで注目を集める「PowerShot N100」。シャッターボタンやズームレバーを廃した「PowerShot N」とは異なり、一般的なコンパクトデジカメのスタイルを採用する。店頭実勢価格は3万5000円前後
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 春のコンパクトデジカメの新製品は、各社とも機能や装備に工夫を凝らした製品が目立っている。なかでも目を引く装備を搭載したのが、キヤノンが4月17日に発売する「PowerShot N100」だ。背面の液晶モニターの上にサブカメラを搭載し、メインのカメラで被写体を捕らえつつ、サブカメラで撮影者を同時に撮影して1枚の写真に収める「デュアルキャプチャーモード」を備えたのが特徴だ。写真だけでなく動画にも対応する。

 変わり種のサブカメラは実用的に使えるのか、どのような楽しさが味わえるのか、といった部分を中心にチェックしていきたい。


子どもやペットを撮るのが楽しい。撮影者を入れずに前後の風景を撮る裏技も

 デュアルキャプチャーモードは、本体右上のモードレバーを切り替えることで簡単に切り替えられる。3ポジションしかないモードレバーの1つに専用モードを割り当てていることからも、機能を積極的に使ってもらいたいという意図が見える。

ユニークなボディー形状で話題になった「PowerShot N」とは異なり、コンパクトデジカメらしいオーソドックスなデザインや操作系を採用する
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液晶モニターの上にあるサブカメラは、25mm相当の広角レンズが用いられている。右上にモードレバーがあり、中央のポジションがデュアルキャプチャーモードだ
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背面の液晶モニターは上下チルト式を採用。可動範囲は最大で90度なので、「PowerShot G1 X Mark II」とは異なり自分撮りはできない
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 デュアルキャプチャーモードに切り替えると、背面のサブカメラで捕らえた写真が四角い小窓上に現れる。背面の液晶モニターはタッチパネル式なので、小窓を指でスワイプすれば位置を四隅のいずれかに変更できる。

 この機能がぴったりはまるのが、赤ちゃんや子ども、ペットを撮影するシーンだ。名前を呼んだり声をかけながら撮影することが多く、被写体も撮影者も生き生きとした表情に仕上がる。ちなみに、撮影者は左右逆像(鏡に写った状態と同じ)になって記録される。

デュアルキャプチャーモードで撮影。撮影者が四角い枠で囲まれてはめ込まれているのが分かる。画像サイズは300万画素相当にシュリンクされる
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楽しく声をかけながら撮ると、撮る側も撮られる側も笑顔になって楽しい
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 注意したいのが、このモードでは画像サイズが2048×1536ドット(300万画素相当)に制限されること。L判プリントやパソコンでの表示など実用面での問題はないが、やや物足りないと感じた。また、撮影者が写る小窓の形状は四角から変更できず、取って付けたような印象が否めない。人物が写ることを想定していることを考えると、無駄な領域の少ない楕円形などに変更できる機能を付けてもよかっただろう。

 ユニークなデュアルキャプチャーモードだが、風景の撮影時に使うのは正直難しい。広大な風景のなかに自分が四角い枠で写っているのは不自然に感じるからだ。風景と一緒に自分を写すならば、レンズを自分に向けて一般的な自分撮りをするほうがよい。PowerShot N100の液晶モニターはレンズと同じ向きに動かすことはできないが、Wi-Fi連携でリモート撮影ができるため、スマホをファインダー代わりにしてフレーミングできる。

風景写真のなかに撮影者の顔が浮かんでいるのは、ちょっと不自然な印象を受ける
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 風景では使いづらいと感じたデュアルキャプチャーモードだが、サブカメラであえて撮影者を撮らず、「前後の風景を両方とも収める」という使い方はアリだと感じた。撮影者が写り込まないように顔をよけたり持ち方を工夫して撮影すると、前後の様子が両方とも収められる。サブカメラは25mm相当とかなりの広角でズームはできないので、背後に大きな建物などがないと効果的な表現はできないが、建造物に囲まれているような場所でうまく使うと面白い写真に仕上がりそうだ。

撮影者が写り込まないように、前後の風景を写してみた。両者とも狙った構図にするのは難しいが、あれこれ試してみると楽しい
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メインのカメラはなかなかの画質だが、サブカメラは高感度だと画質がかなり粗くなる。左右逆像になるので、文字があると違和感が出る
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