現在、携帯電話の販売で大きな問題となっているのが、番号ポータビリティ利用者(MNP)に対して数万円もの高額なキャッシュバックが行われていることだ。なぜこれほどの高額なキャッシュバックが飛び交うようになったのか。その背景とこの問題が収束しない理由について検証しよう。

100万円に達する店舗も、過熱するMNPのキャッシュバック

 近頃、携帯電話の販売店を訪れると「MNP利用者にxx万円のキャッシュバック」という看板を多く目にする。こうしたキャッシュバック自体は以前から見かけるが、年々競争が激しさを増している。

 というのも、以前のキャッシュバックは、契約後2年以内に解約すると1万円近い解除料がかかる、いわゆる「2年縛り」の解除料を補てんすることで、「MNPしやすくするためのもの」という位置付けだった。キャッシュバックの額も解除料に相当する1万円前後が多かった。

 だが、ここ1~2年の間に、キャッシュバックによる料金競争が急速に激化。MNPで1台3~4万円、さらに最近は7、8万円といった額のキャッシュバックを見かけるようになった。また、複数台同時にMNPすることで、台数にもよるが、2014年は10万円を超え、30~50万ものキャッシュバックを出すショップも現れるようになった。中には100万円を超えるキャッシュバックを提供するショップもあるという声も聞かれる。

 また、キャッシュバックの対象となる機種にも変化が出てきている。以前のキャッシュバックは、比較的不人気の機種や古い機種などに多くの額が割り当てられることが多く、どちらかといえば「在庫処分」の意味合いが強かった。だが最近では、最も人気の高いアップルの「iPhone 5s」にまで高額のキャッシュバックが行われることも一般的。まさにキャッシュバックが乱れ飛ぶ状況となっている。

2014年の春商戦では、複数人を対象に現金や商品券などを合計して、非常に高額なキャッシュバックを行うショップがあちこちに出現
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