表紙はモデルの女性で、さやかちゃんではない。価格は1575円(画像クリックで拡大)

 2014年の受験シーズン、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』という、直球のタイトルが付けられた本が発売1カ月半で16万部を突破するヒットとなり話題だ。

 もとは投稿サイト「STORYS.JP」に塾講師・坪田信貴氏が投稿した、聖徳太子を「せいとくたこ」と読む偏差値30のギャル・さやかちゃんの指導を振り返ったストーリー。心理学に基づく指導を受け、慶應義塾大学に現役合格するまでを振り返った実話だ。サイト上への掲載からわずか半日で評判が拡散し、その反響を見た複数の出版社から書籍化のオファーを受け、半年かけて加筆・追加取材。2013年12月末に発売された。

 発行元のKADOKAWAで編集・構成を担当した工藤裕一氏によると、主な読者は40代女性、50代男性で、受験生に接する親や指導者などが受験の参考に読んでいると推察している。なお、この層に続くのが10代の女子だそうだ。

 落ちこぼれ生徒たちの受験モノというと、東大を目指す高校生たちを描いたコミック『ドラゴン桜』のような、効率的な勉強法や解答のテクニックを見せるストーリーが浮かぶ。しかし本作は、人に認めてもらえる喜びと勉強ができるようになる楽しさを得る1人の少女の成長が軸だ。

 「本書は基本、笑いと涙の、痛快な感動ノンフィクションストーリーとして仕立てています。しかし、著者の坪田先生の優しくも鋭い、目からウロコの心理学メソッドなどの紹介により、子どもや部下の指導にも開眼できる“使える”1冊になりました」(工藤氏)

 何かを始めるのに、いつだって遅いことはなく、どんな子どもも今からスタートラインに立てることを示した真実の話が多くの人の心をつかんだようだ。

(文/北本祐子)