高齢になるほど、男の子より女の子が生まれやすい!?

 上原謙やチャップリンのような男性もいることは確かだが、誰もが彼らのように末長く精子力をキープできるわけではない。実は「男も年を取ると子どもができにくくなる」という報告は以前からある。

 例えば782組の夫婦を対象に、「夫婦の年齢と妊娠する確率」を調べた論文がある。妻の年齢が27~34歳の場合、「夫が同い年」でも「夫が5歳上」でも妊娠率はほとんど変わらない。ところが妻が35~39歳になると、「夫が5歳上」は明らかに妊娠率が落ちている(下グラフ)。つまり、40歳を過ぎた男性は妊娠させにくくなるわけだ。

夫婦の年齢と妊娠率の関係
Hum Reprod.2002;17(5):1399-403より
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 また、高齢の男性は「男の子」を作りにくくなるという。

 ご存じの通り性染色体にはXとYがあり、女性はXXに、男性はXYを持っている。卵子の性染色体はすべてXなのに対し、精子はXを持つものとYを持つものがあり、どちらが受精するかによって性別が決まる。つまり、生まれてくる子どもの性別は男の精子で決まるということになる。

 面白いことに、精液中のX精子とY精子は1対1ではない。なぜかY精子のほうが5%ほど多く、そのため新生児は男子のほうが少し多い。厚生労働省「人口動態統計」によると、2012年は女子が50万5450人に対し、男子が53万1781人生まれている。「ところが50代半ばになると精液中のX精子とY精子の数が同じになり、それ以降はどんどんYが減っていく」と岡田教授。そのため、高齢の父親の場合、女の子が生まれやすくなるという。

 5081人の精液を調べた結果、精子の数は35歳から毎年1.71%ずつ減り、精子の奇形率は41歳から毎年0.84%ずつ増えることがわかった。さらに44歳から精子の運動率が、56歳からはY精子が減っていく(Fertil Steril.2013;100(4):952-8)。

 要するに、女性だけでなく、男性も子作りのタイムリミットは意識しなければいけないということ。晩婚化が進んでいるが、本気で子どもが欲しかったら「40歳までは独身でもいいや」なんて悠長に構えていられない。35歳を目安にがんばろう。