今回のお題は、ソニーの高倍率ズームデジカメ「Cyber-shot DSC-RX10」だ。1.0型の大型裏面照射型CMOSセンサーや、ズーム全域でF2.8の明るさを持つ光学8.3倍ズームレンズなど、このクラスの製品のなかでは頭ひとつ抜けたスペックが魅力の製品だ。落合カメラマンは、これまでのRXシリーズとは打って変わったデザインに戸惑いを隠せなかったものの、日ごろ愛用している「Cyber-shot DSC-RX100」と比べてズーム倍率が高まって利便性が増したことなどを評価していた。唯一、許せなかった部分とは?

 私は複数のデジカメを常時携帯している。おかげで、いつも持ち歩くバッグに放り込んでいる予備バッテリーの数も結構なモノになっていたりするのだけど、まぁ根が心配性なのだから仕方がない。「こんな被写体に出会ったときサッと撮れないと困る」「あんな被写体に対峙したときは、このぐらいの画角が必要になるんじゃないだろうか…」。アレコレ思いを巡らせれば巡らせるほど、用意しておきたい機材が増えてしまうのは、ナニも今に始まったコトではなくフィルム時代の昔から。どこかで割り切らなきゃイケナイのはわかっているのだけど、それができりゃこんな人生を歩くことにゃなっていませんって!!

 ま、案外コレでも快適な毎日だったりするのですがね(笑)。

 んで、この1年半ほどを振り返ると、常時携帯機の主力はソニーのRX100だった。これは今も継続中である。外出するときは必ず首から下げ、就寝中は枕元に置いておく…購入以来、そんな付き合いが途切れることなく続いている。

落合カメラマンが日々携帯しているソニーの「Cyber-shot DSC-RX100」(左)。液晶モニターやホットシューなどの装備を強化した「Cyber-shot DSC-RX100M2」(右)の導入を見送るほど、RX100を愛用しているのだ
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 その間、RX100でナニか傑作が撮れているのかというと、幸か不幸か残念ながら、そういうことはまったくなかったりするのだけど、なぜか不思議とお気に入りであることには変わりがない。キヤノンのPowerShot SX50 HSとか、オリンパスのSTYLUS TG-2 Touchなどの他の常時携帯機よりも少しだけ上のポジション(使用の優先順位が高い)に配置しての運用は、今のところ不変なのである。

デザインには拍子抜けしつつ、高画質と利便性の高さで常用デジカメの1つに

 そんな“共同生活”の中で「RX100ならでは!」といえるのは、気に入っているポイントが単純明快なところ。あのサイズのコンデジとしては飛び抜けて画質が良い、基本その一点買いなのだ。お気に入りの機材っていろいろあるわけなのだけど、そいつの魅力(お気に入りの理由)をひとことで言い切れることってジツはあんまりない。アレコレ理屈をこねて自分を納得させている面がなきにしもあらずというか、説明が説得臭くなっちまうことが多いのだ。それって、心じゃなく理屈で惚れているって感じ? でも、RX100はズバッとストレートだった。だから長続きしているんだと思う。

 そんなRX100で個人的に唯一、不満だったのは望遠側の画角。もうちょっと長い焦点距離が欲しいと思うことがままあるのだ。これは、常時携帯機に万能性を求めてしまう私の性癖があってこその欲求であり、さまざまな要素を鑑みるならば、RX100のバランスは見事な落としどころを突いていると思うのだけど、それでも、もうちょっと望遠側に余裕が欲しい…なぁんて思っていたところに、RX100M2登場の話が舞い込む。もしや、望遠側の焦点距離に変化がっ!?…ありませんでした。ご存じの通り、レンズのスペックは不変。残念! よって、RX100M2の購入には至っておりません。

 そうこうしているうちに、今度はRX10なるニューモデルの情報が!!(お待たせしました。ここからやっと本題) え? F2.8通しの24-200mm相当のズームレンズ搭載だとぉ!? キターーーーっ!! これぞ長年(?)待ち望んでいたRXシリーズの新モデルっ! RX100M2を買わずに我慢していてホントによかった…。

ソニーが2013年11月に発売した高倍率ズームデジカメ「Cyber-shot DSC-RX10」。1.0型の大型裏面照射型CMOSセンサーと、ズーム全域でF2.8の明るさを持つ光学8.3倍ズームレンズを搭載し、このジャンルの製品としては圧倒的な高画質を特徴としている。実勢価格は12万5000円前後
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 しかし、実物を見てびっくり。コレジャナーイ!ってのが第一印象(笑)。だって、RX100、RX1、RX100M2とあまりにも似ていないお顔にスタイルなんだもの。まぁ、レンズのスペックを見れば、カメラとしての容積がどんなものになるのか自ずと想像はできたワケなのだけど、それでも期待しちゃったわけですよ、RX100に惚れていた身としては。

 実際に使ってみると、メッポー明るい高倍率ズームを搭載しているせいか、RX100で感じることになった「目からウロコの高画質にズキューン!!」って感じにはならなかった。RX100M2と同等の1.0型センサーはその実力を遺憾なく発揮しており、高倍率コンデジの中では間違いなくトップレベルの画質なのだが、RX100の画に慣れている目には、RX10の生成する画はあくまでも「それなり」だったのだ。ま、アタリマエといえば当たり前。

 それよりも、このボディーサイズ(無謀な期待よりはビッグだがレンズスペックからすればじゅうぶん小型)で得られるソニー製1.0型センサーならではの画質と、それに裏打ちされたRX10ならではの利便性の高さ(焦点距離域の広さと高画質がタッグを組んでの独自の利便性の確保)を高く評価すべきだろう。これは、通り一遍の無責任な褒め言葉などではない。私は、発売前にRX10を使う機会に恵まれた経験を足がかりとしつつ、発売日当日にご本人をゲット。つまり、自腹買いをしての率直な印象なのである。そしてそれ以降、私のRX10は、RX100に次ぐポジションに立つ常時携帯機になっているのだ。

豊かな階調再現と精細な描写力。RX10は「高倍率コンデジ」としてトップレベルの画質をプレゼントしてくれるモデルだ。ズーム操作に係る使いにくさは、そこで相殺(と判断することも不可能ではない)(ISO200、1/250秒、F4.0、-0.7露出補正)
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以前、キヤノンSX50HSでも似たような絵柄を撮ったっけ。テレ端の画角は35mm版換算200mm相当。普通にちゃんとした望遠域なのだが、昨今の手軽に得られる「超望遠画角」に慣れた目にはチョイと物足りなさを覚えることも(ISO125、1/1000秒、F5.6)
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逆光の影響か、わずかにフレアーっぽい仕上がりになった。煩雑な背景+この距離関係からすると、ボケ味はかなり健闘しているほうだといえる(ISO125、1/200秒、F3.5)
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