「実質購買力」を見るんだ!

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 「好きでも、嫌いでも、な~い!!!!!!」

 コンサルティングルームにアフロFPの声が響き渡りました。


アフロFP: 2人とも! 家計管理は「感情」でするものじゃない! お金は数字で表されるものだ。その管理方法を2人の好みで検討し、直感的な判断で選んでいけば、いずれ大きな落とし穴にハマってしまうぞ!

タカシさん: ど、どういうことですか?

アフロFP: 合理的に家計を管理するには「明確な理由」が必要なんだ!

ヨウコさん: もうちょっと具体的に言ってもらってもいいですか。

アフロFP: ヨウコさんは「お金が減ることないって素敵」と言ったが、さっきの表を見た今なら、少なくとも直近1年は定期預金の“お金の価値”が減ったことに気付かなくてはいけないんだ!

タカシさん: も、もうちょっと分かりやすく言ってもらってもいいですか?

アフロFP: 表を見ると、この1年で物価が0.4%上がったことが分かるはずだ。つまり、1年前に100万円で売っていたものは、現在100万4000円に値上がりしたんだ。

ヨウコさん: あっ! 私、気付いちゃった。私が預けている100万円の定期預金の金利は0.2%だから、この1年でもらった利息は2000円ってことになるわね。これって……(泣)。

アフロFP: そうだ! 正確にいうと税引き後は1600円ということになるが、いずれにしても、4000円の物価上昇に“負けて”しまっていることになるんだ!

タカシさん:……ってことは去年よりも買えるものが減ってしまったってこと?

アフロFP: その通り! 2人の実質購買力は落ちてしまったことになるんだ。

Dさん夫婦: えーっ、そんなの嫌だ――!!

アフロFP: いや、だから好き嫌いじゃない! 株価や為替だけではなく、消費者物価指数などの推移も見ないと、合理的で、安心で、本当の意味で“お金が減ることのない家計管理”はできないってことに気付いてほしいんだ!

ヨウコさん: そうか。よく分かったわ。私、まずは「物価上昇に負けない家計管理」を目指すわ!

タカシさん: 僕も儲かった同期がうらやましくて「資産運用をやりたい」と思っていたけど、まずは「物価上昇に勝つ」ことからですね。

アフロFP: そうだ! その通りだ。ただ、まだ、焦る必要はないぞ! 10年前、つまり2004年は100.7だった指数が現在は100.0ということだから、この10年ではわずかに物価は下落したということが分かるはずだ。つまり、定期預金の金利は“物価に勝った”ということだ。

ヨウコさん: でも、実際に直近1年は上がったわけだし、これから先は分かりませんよね?

アフロFP: うむ、こればかりは分からない。でも、分からないからこそ、家計管理の選択肢は多く持つべきなんだ!
 今すぐ「何かを始めろ!」とは言わない。でも将来、銀行預金以外の手段が必要になる可能性があることも知っておいたほうがいいんだ。

タカシさん: 分かりました! これまでは感覚だけで話していたから口論になることもあったけど、これからは「物価上昇に勝つ」という共通の目標達成のために、2人で力を合わせて頑張ります!


 これまでは「家計の管理方法」という議題で口論をしてきた2人でしたが、これからは「物価上昇に勝つ」という共通の目的を意識することで、前向きな議論ができるようになりそうですね。

 景気回復はうれしいことなのですが、家計にネガティブな影響を及ぼす要因も増えてきます。2014年はピンチもチャンスもやってくる1年になりそうです!

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(イラスト/渡辺鉄平)

著者

山田英次(やまだ えいじ)

山田英次

ブレインズパートナー有限会社代表取締役、ファイナンシャル・プランナー。
私立麻布高校を卒業し、慶應義塾大学にて国際経営学を専攻。外資系金融機関を経て、独立系金融コンサルティング会社を設立し、現在は主に全国各地で開催される講演会を通じてのアドバイスを精力的にこなす。住宅購入、教育資金、セカンドライフに向けた資産形成など、個人の生活に密着したコンサルティングにおいて、多くの実績があり、幅広く支持されている。アフロFPが推奨するキャッシュフロー相談(毎月5組無料招待)はこちら