今回のテーマ:太陽黒点。太陽の表面に見える黒っぽい部分のこと。太陽の表面温度は6000℃と学校で習うが、黒点付近は4000℃程度と周囲に比較すると少し低いので黒っぽく見え、数が増えたり減ったりする

 クレージーキャッツが「地球温暖化進行曲」という曲をリリースしたのは、1991年のことだった。そう、地球温暖化と言われるようになってもう四半世紀近く経つのだ。この問題を科学面から検証する、国連・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、今年9月に第5次評価報告書を発行した。その中で、「20世紀半ば以降に観測された温暖化現象は、人間活動が主因であった可能性が極めて高い」と評価した。

 ところが、大多数の気候学者が温暖化は進んでいると考えているにも拘らず、反対論も消えることがない。それどころか、今後地球は寒冷化が進むと予想する科学者もいて、その根拠も存在する。地球寒冷化の根拠、それは太陽黒点だ。

 でも、そもそも太陽黒点とは何なのだろう。そして、なぜ太陽黒点から今後寒冷化が進むなどと主張できるのだろうか。

 保護眼鏡などを通して太陽を見ると、太陽表面には小さな黒い斑点があるのを見ることができる。これが太陽黒点だ。太陽表面は6000℃もの温度だが、黒点は4000℃程度。その分放つ光が弱いので総体的に黒い点として見えるというわけだ。

太陽観測衛星「SDO(Solar Dynamics Observatory)」が撮影した太陽黒点の様子(2013年12月9日、出典:SDO,NASA)
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 人類が太陽黒点の存在に本格的に気がついたのは、17世紀のことだが、それ以前も古文書には観測記録が残っている。これまでの観測記録から、1)黒点の数は11年周期で増減している、2)太陽黒点が沢山出ている時に太陽は活発に活動し、黒点が少なくなると不活発になる――ということが分かっている。太陽黒点は磁場の活動とも関係しており、太陽の磁場が強くなると多数出現し、弱くなると消えるという性質を持っている。

 太陽の活動は地球にも大きな影響を及ぼしている。最大の影響は気候に対するもので、太陽活動が弱くなると気候が寒冷化するのだ。特に太陽活動が弱くなる時期には、気候が大きく寒冷化する。1645年から1715年にかけての70年間は、著しく太陽の活動が低下した(発見者の名前をとってマウンダー極小期という)。この時期、地球全体で平均気温が0.2℃下がったことが分かっている。

 たった0.2℃だが、地域的にはもっと大きな影響が出ている。 ヨーロッパ・アルプスでは氷河が前進して村が飲み込まれた。ロンドンでは冬季にテムズ川が凍結し、人が歩けるほどの厚みに氷が張った。オランダの画家ピーター・ブリューゲルは、マウンダー極小期のさなかに、雪に覆われる農村の冬景色の絵を残している。寒冷化は食料生産に大打撃を与え、伝染病の流行をも引き起こす。この時期世界各地で飢饉が起き、欧州ではペストの流行で多数の死者が出た。