虎ノ門ヒルズの考え方を凝縮したのが「アンダーズ 東京」

――虎ノ門ヒルズには日本初登場のホテルブランド「アンダーズ 東京」が開業しますが、どんなホテルで、ヒルズの中でどんな位置づけになるのでしょうか。

小笠原: 「Andaz=アンダーズ」とはヒンディ語で「パーソナル スタイル」を意味する言葉。自分らしいスタイルで、暮らすように過ごし、楽しむことを重視したホテルです。2007年、ロンドンに第1号が登場し、その後、ニューヨークのウォールストリートやフィフスアベニューなど各地にできていて、虎ノ門は12番目になります。

“パーソナルで上質なホテル”というコンセプトで誕生した、ハイアットグループのホテルブランド「アンダーズ」
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――どのような特徴があるのですか?

小笠原: ハイアットグループが10年ほど前にVIPを対象にアンケートを行ったところ、「テレビはいらないけれどWiFiは欲しい」「部屋では無料で飲み物を楽しみたい」「黒服の従業員は仰々しい」といった声が多く挙がったのです。そういった要望をもとに、新しいスタイルのホテルを作ろうということで、世界中のさまざまなホテルライフを経験した方が、自分のお気に入りのホテルとして使っていただける“パーソナルで上質なホテル”というコンセプトで誕生したのが「アンダーズ」なのです。

 到着して最初にご案内するラウンジは好きな飲み物を片手に、友人宅のリビングのようにリラックスできる空間ですし、ミニバーのソフトドリンクとスナック、WiFiインターネット接続はすべて無料で、家のようにくつろげる環境を備えているのです。

 虎ノ門ヒルズの最上階を占める47階から52階の5フロアを「アンダーズ 東京」にしましたが、164室とそう大きなホテルではありません。しかし、今回の虎ノ門ヒルズの考え方を凝縮した存在がこのホテルだととらえています。

――日本人は新しいものが大好きなので、人気を集めそうです。

小笠原: パーソナルなホテルであること、確かな上質さを提供していくこと、過ごし方のスタイルを自分で選べること、アンダーズが持っているこういった視点は、時代の潮流とフィットしていると思います。オープン当初だけでなく長きにわたって人が集い、街とつながっていくホテルにすべく、最大の努力をするつもりです。必ず成功すると自信を持っているんですよ(笑)。

――ますます楽しみになってきます。

小笠原: 虎ノ門のプロジェクトをやっていると、住民の方から「昔のような活気のある街になってほしい」という言葉をもらったり、新しく店を出す方から「虎ノ門の街を一緒に良くしていきたい」という声が上がったり、地元の経営者の方から「世界に向けてブランドを発信していきたい」という思いを伝えられたり、さまざまな期待の声をいただきます。たくさんの人の思いをつなげ、新しい街を作っていくのが私たちの仕事と、責任の重さを感じてもいます。

――そういった期待がうれしさや喜びになっていくと素敵ですね。東京に登場する開発の多くは、オープンして半年くらいは大人気だけれど、その後はさっぱりというものが多くて残念と感じてきました。虎ノ門ヒルズはそうはならないという小笠原さんの言葉を信じ、期待に胸膨らませ、オープンを待ちたいと思います。

(後編に続く)

「アンダーズ」が備えているオープンな雰囲気を伝えるプロモーションスペース「アンダーズスタジオ」(撮影/竹井俊晴)
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(撮影/竹井俊晴)
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著者

川島 蓉子(かわしま ようこ)

川島 蓉子

伊藤忠ファッションシステム ifs未来研究所所長。1961年新潟市生まれ。早大商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科終了。1984年、伊藤忠ファッションシステム入社。ファッションという視点で消費者や市場の動向を分析している。「おしゃれ消費ターゲット」(幻冬舎)、「TOKYO消費トレンド」(PHP)、「ビームス戦略」(PHP)、「伊勢丹な人々」(日本経済新聞社)、「社長とランチ」(ポプラ社)、「ブランドはNIPPON」(文藝春秋)など著書多数。