「水草水槽チャレンジ」企画もいよいよ今回が最終回。第1回のショップ編、第2回のスタート編、第3回のトラブル編を経て、3カ月間の“水草水槽修行”の後にたどりついたのは…?

「こんな容器でも生態系が維持できる!」という驚き

 今から4カ月前、この連載を始めるきっかけとなったインタビュー(「魚でなく『草』が主役!? 『水草水槽』ファン急増の理由」で、筆者はマンガ家のタナカカツキ氏の芸術的な水草水槽に出会った。

 タナカ氏の2個の90cm水槽を目の前にし、筆者の心をよぎったのは感動とともに、「やり始めたら、いつかはこのサイズの水槽でどうしても水草を育てたくなるだろう」という、不安な予感だった。自宅のリビングに置かれた美しい90cm水槽のイメージとともに、家人の反対、家具の移動、予算など、さまざまな難関が頭をよぎった。

 ゴミ屋敷のように荒廃させてしまっていた自宅のミニ水槽(30cm)の改造から恐る恐る“水草水槽道”に入門した筆者だが、3カ月たった今、初期のドタバタや、黒髭藻大発生の危機を乗り越えて、わが家の水草水槽には静かな平和が訪れている。それなりに自信もつき、今なら90cm水槽も難なくスタートさせられそうな気がしている。

 が、実は筆者の野望は初期の予想に反して、違う方向に膨らんでいた。「もっと大きな水槽に挑戦したい」のではなく、逆に「もっと小さな水槽で育てたい」と強く思うようになったのだ。人間としての器が小さいせいだろうか。それとも生まれついての貧乏性のせいだろうか。たぶん両方だろう……。

 いろいろなレイアウト例が載った水草水槽の雑誌を眺めていても「お!」と手が止まるのは、ユニークな形のミニ水槽やボトルを使った水草水槽だ。「こんな小さな容器でも生態系が維持できるんだ!」と、そこに感動してしまうのだ。自分でも早速、見よう見まねで、ボトルアクアリウム、グラスアクアリウムを試してみた(生体を入れる自信はないので、まずは水草だけで始めた)。

 毎日半分ほど水を替え、数種類の水草をグラスやガラス瓶で育ててみた。枯れてしまうものもあったが、残った水草は小さなビンの中なのに大きな水槽で育てた水草より太く丈夫に育った。

 次は果実酒用のビンや駄菓子が入っていたポリ容器にソイルを入れ、メイン水槽から間引いた水草を育て始めた。机の上に置いて眺めているが、日が差し込むと小さな気泡が出る。水草が喜んでいるようで、それも楽しい。ミニ水槽には巨大水槽にはない親密さがあるような気がし、見るたびにその姿に癒やされている。

 それにしても、なぜ水草はこんなに人の心を癒やすのか。その謎が知りたいと思っていたときに、前述のタナカカツキ氏のトークイベントがあるのを知った。

8月の水草水槽立ち上げから3カ月半たったメイン水槽。本格的な水替えはほとんどしていないが、透明度が安定していて水草もすくすく成長している
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グラスやビンに水だけを入れて育てた。丈夫な水草を選び、こまめに水を替えれば、この中でも成長することが分かった
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細長いビンに入れた水草は観葉植物の根元に置き、毎朝の水やりのたびに半分くらい水をあふれさせるようにした。こうすれば毎日、水替えと水道水に含まれる二酸化炭素を添加していることになる
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果実酒やお菓子のポリ容器にソイルを入れ、水草を植え、机の上に置いている。日が当たると気泡を吐き出す様子がかわいらしい
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