栽培法から調理法まで17世紀を限りなく再現

Chateau de Versailles - Epicerie Fineのスイーツシリーズ「Gourmandises de la reine 」(王妃の美食)
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 宮廷の美食の中でも、ルイ14世が特に好んだ料理、例えば、アスパラガス、グリンピース、ジャム、フォアグラ…、そしてマリー・アントワネットが嗜好した甘味、蜂蜜の飴、ミントなどのシロップ水などからインスピレーションを得て作られたのが、このベルサイユ宮殿ブランドの食品群だ。

 特筆すべきは、可能な限り当時に近い栽培法で作られた地産の材料を使って、当時の料理法をベースに、徹底してフランス国内で調理されていること。おのずとそれらは有機食品で、現在の食のブームにも重なった。味は、伝統的なフランス料理ならではの深みと現代の人々の舌にあう繊細さを持ち合わせている。

 そんな食品製造を請け負うのが、アキテーヌ地方のジロンド県(この県はフランス革命とも深いつながりを持っている)にある Oh! Legumes oublies=オー・レギューム・ウブリエ社 (社名直訳=おお、忘れられた野菜たち)。この会社のクリエイター、ベルナルド・ラフォン氏は、フランスの野菜や果物、菜園、果実園などの歴史を熟知し、それに関する書籍を多数執筆、さまざまな大学、欧州委員会、農業会議所の食に関連した仕事の依頼も数多く受ける希有な人物だ。

オー・レギューム・ウブリエ社のクリエイター、ベルナルド・ラフォン氏。Credit:DR
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Chateau de Versailles - Epicerie Fine の「Jardin royal」(王の庭)シリーズはルイ14世の好んだ味がラインナップ。ジャムの種類も豊富
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 昔のままの栽培法で、当時と同じ野菜や果物を作り続ける菜園や果実園では、訪れる者にフランスの食べ物の歴史について語り伝えることもライフワークのひとつとしている。会社自体は長年、世界的に有名なフランスの高級食料品店フォションやエディアール、日本のギャバン社、アメリカのローランド社などの下請け会社である。そんなクリエイターのプロフィールと社歴が、高品質で個性ある農産物加工業を生み出せることをベルサイユ宮殿に保証し、ライセンスを結ぶに至ったのだろう。

 また、赤字削減政策に頭を抱えるフランス政府が、文化的建築物であるベルサイユ宮殿への融資を惜しまなかったことも、フランスを今後代表していくかもしれない新ブランドを世に送り出す助けになったようだ。