年を重ねるごとに失われていく「男らしさ」。いつまでも若いころの外見・体力・健康は保てない。それを防ぐにはどうすればいいのか? 第一線で活躍する専門家たちに「男のアンチエイジング」の最先端を解説してもらう連載の第10回目は、認知症について、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の三村將教授に解説してもらう。

 年を取ると、生活習慣病をはじめ、いろいろな病気にかかりやすくなる。中でも特に怖いのは認知症。妻や子どもなど、愛する家族の顔さえわからなくなることがあるなんて、考えただけでもゾッとする。

 テレビで見た俳優の名前がとっさに思い出せないなど、いわゆる「度忘れ」は多かれ少なかれ誰もが経験することだろう。体力と同じように、年を取れば記憶力も衰える。それだけに留まらず、「認知機能の低下によって日常生活に支障が現れてくる状態を認知症と呼ぶ」と、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の三村將教授は定義する。

 例えば、2時間前に食べたはずの昼食の記憶がない、空間認知力が落ちて、知っているはずの道で迷子になる、問題解決能力が落ちてカレーライスの作り方が分からなくなる、といった状態だ。現在、国内の認知症患者は400万人以上と推定されている。

 認知症にはさまざまな種類がある。最も知られていて、認知症の半分以上を占めるのが「アルツハイマー病」。これは脳にアミロイドやタウといった異常たんぱく質がたまった結果、脳の神経細胞が急速に減っていく病気だ。ほかに脳の血管が詰まることで起こる「脳血管性認知症」や「レビー小体型認知症」、「前頭側頭葉変性症」などがある。

 ひと口に「日常生活に支障」といっても、どのレベルからそう感じるかは人によって違うだろう。そこで認知症かどうかを判断する客観的指標として、下の「改訂 長谷川式簡易知能評価スケール」などが使われている。気になる方は、ぜひ試していただきたい。

改訂 長谷川式簡易知能評価スケール
9項目の設問で構成された簡易知能評価スケール。 30点満点中20点以下だと“認知症疑い”の目安として医療機関で使用されている
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