“シラチャマニア”向けのTシャツやハロウィン用衣装まで登場

 そして、もうひとつの「シラチャ」ですが、これはここ数年アメリカ人の間で大人気になっている真っ赤なホットソースの味。元々はタイのシラチャ地方に伝わる唐辛子ソースなのですが、アメリカではHuy Fong Foodsというメーカーが作っているものだけを「シラチャ・ソース」と呼んでいます。アジア系のレストランには必ずあるものなので、そこから人々に知られるようになり、その後なぜか爆発的な人気に。「シラチャ」を使ったレシピを紹介する料理本まで登場する始末です。さらにサブカルチャー的な扱いもあるのか、「シラチャ」のパッケージデザインのTシャツや、携帯カバーなど売られています。あと、ハロウィンは終わっちゃいましたが「シラチャ」をパロディー化したコスチュームなんかもあって、笑いを誘います。

中身はトマトケチャップそっくりの「シラチャ」ソース。絶対にケチャップのボトルと中身入れ替えて誰かに食べさせるとか、そういうイタズラする人がいるに違いない(笑)
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ソースの色そのままに真っ赤な「シラチャ」Tシャツ。「おれはホットなんだぜ~!」とでも主張したいのでしょうか?
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 こんなに売れまくりの「シラチャ」。販売元のHuy Fong Foodsはさぞかし大喜びかと思いきや、先月とある問題に直面してしまったそうです。急上昇した需要に応えるため、同社は工場を拡大して生産に追われているのですが、なんと近辺の住民から、工場から唐辛子の成分が漏れてきて、目の痛みや呼吸困難などの健康被害にあっている、と訴えられてしまったのです。住民側は工場の閉鎖を求めたそうで、本当にそうなってしまうと「シラチャ」が市場から消えてしまう! どうしたらいいんだっ!? と「シラチャ」ファンは相当なパニックに。買い占めに走った人も出たそうです。

 幸い、この起訴は証拠不十分だとして裁判所から却下されることとなり、Huy Fong Foodsの工場はそのまま運営を続けることが出来ることになったそう。なにはともあれ、「シラチャ」の人気の度合いをうかがわせるエピソードですね。

よく見るとロゴ部分が「ウサギ」になっているのが、ミソ(本来の「シラチャ」はニワトリマークです)
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著者

クローニン真木(くろーにん まき)

 海外生活が人生の半分を超えてしまった、主婦&看護師兼ライター。日本人アイデンティティーを保持していると信じつつも、近年めっきり周囲からは否定されつつある。現在2児の母で子育てに奮闘しつつ、Narinari.comで執筆を展開。著書に「アメリカの弁護士は救急車を追いかける―アメリカの不思議なジョーシキ114」(宝島社文庫)。現在、月刊誌「この映画がすごい!」(宝島社)、「TOEIC Test プラス・マガジン」(リント)などに記事を提供している。日経トレンディネットでは以前に「アメリカ在住ミセス・マキのUSA『お茶の間』通信」を連載。