無線LANの電波は家中に広がっており、家の中ならどこからでもケーブルを使わずに利用できる……というのが無線LANのメリットだ。ただし、電波は家の中だけでなく外にも届いている。家に面した道路や、マンションであれば隣室からも、場合によっては接続できてしまう。セキュリティー対策をしていないと、第三者に勝手に使われるだけでなく、自分のパソコンのデータにアクセスされて情報を盗まれたり、ウイルスを仕掛けられたりする危険性もある。

 そこで今回は、無線LANのセキュリティーについて解説しよう。

「SSID」と「セキュリティーキー」

 そもそも目には見えない無線LANの電波が、なぜ他人に見つかってしまうのか。無線LANルーターは、製品ごとに「SSID(Service Set IDentifier)」という個別の名前が設定されている。例えば、製品Aには「abc」、製品Bには「123」といった具合だ。

 製品Aが構築する無線LAN環境をノートパソコンで使うには、ノートパソコンの無線LAN設定画面で「abc」を選択すればいい。ただし、その設定画面には製品Bの「123」も表示されている。つまり、無線LANの設定画面では、電波が届いているすべてのSSIDを確認できてしまうわけだ。そこに無線LANが存在していることは丸見えなのである。SSIDを隠すこともできるが、その方法は後述しよう。

住宅街にあるマンションの一室で、ノートパソコンの無線LAN設定画面を開いた。電波が届く範囲のSSIDをすべて確認できる
[画像のクリックで拡大表示]
都内の某図書館でiPhoneの無線LAN設定画面を開いたところ。数多くの公衆無線LANサービスのSSIDを確認できる
[画像のクリックで拡大表示]

 第三者に無線LANを使われないようにするには、セキュリティーキーを設定して通信データを暗号化する必要がある。セキュリティーキーは、SSIDのパスワードのようなもの。ノートパソコンなどでSSIDを選択した際に入力を求められ、セキュリティーキーを正しく入力できない機器は無線LANが利用できない仕組みだ。正しいセキュリティーキーを入力した機器だけが無線LANに接続でき、暗号化したデータを復号化できる。

セキュリティーキーが設定されているものは、SSIDに鍵のマークが付いている。鍵のマークが付いていないSSIDは、誰でも利用可能な状態を表している