なぜ青山の一等地? なぜフレンチとイタリアンの合体?

 「俺の」の快進撃が止まらない。

 2013年9月で1号店(「俺のイタリアン新橋本店」)オープンから2年目を迎えたが、「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は相変わらず大盛況(関連記事)。2013年10月12日にはついに東京・青山の一等地に17店舗目となる「俺のフレンチ・イタリアン AOYAMA」がオープンした。

 「俺の」系列店といえば、路地裏の雑居ビルのこぢんまりとしたスペースというイメージが強い。しかし、青山店は青山の国道246と骨董通りが交わる一等地に位置し、しかも系列店史上最大面積の約65坪。さらに、「俺のフレンチ」と「俺のイタリアン」を合体させた業態「フレンチ・イタリアン」だという。

 なぜ、人気の2店を合体させたのか。そもそもなぜ、青山なのか。

「俺のフレンチ・イタリアン AOYAMA」は「俺のフレンチ」と「俺のイタリアン」をワンフロアで楽しめる
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場所は高級スーパー「紀ノ国屋インターナショナル」などが入る青山Ao(アオ)ビルの1階。以前は「ドンク」のカフェがあったところ
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施設投資額は2億5000万円! 目標は年商7億5000万円!

 俺のフレンチ・イタリアン AOYAMAの席数は127席。「俺のイタリアン」6店の平均席数は54席だから、2倍以上ということになる。また同店が出店しているファッションビルAo<アオ>は地下に高級スーパー「紀ノ国屋インターナショナル」がにあり、かつてシャネルが世界初の路面店を出店したこともある、青山らしい華やかさと歴史を持ったランドマーク的なビルだ。

 「5業態・16店舗の全てを結集させた旗艦店として、ちょっと背伸びしたおしゃれな店を作りたかった」(「俺の」の坂本孝社長)というが、それだけが理由ではない。「レストランを歌舞伎座の舞台だとすると、料理人は歌舞伎役者。レストランを訪れた子供たちが『あんなシェフになりたい』と夢を抱けるような華やかな舞台装置を料理人に用意したいという思いで、この店を立ち上げた」(坂本社長)。

 施設投資額は過去最高の2億5000万円。特に厨房設備は金額に上限を設けず、料理人が望む最高の仕様に仕上げたとのこと。これだけ投資したからにはもちろん、単なる夢と憧れだけで立ち上げたわけではない。坂本社長は同店の年間売り上げ目標を投資金額の3倍の7億5千万円とし、経常利益をその10%の7500万円と見込んでいる。「この場所でこの規模の店舗なら、軽く達成できると楽観している」(坂本社長)。

 「俺の」系列店のフード原価率の高さは有名だが、その傾向は変わらない。薄利多売のビジネスモデルだけに、新店舗がフル稼働するまでに時間がかかると損失が重なり、命取りになる。安田常務は同系列店がこれまで成功できたポイントを「どの店もフル稼働までの助走期間が短くて済んだこと」といい、その理由について「ここまで原価率が高いと広告宣伝費は1円もかけられないが(笑)、メディアで大きく取り上げられて話題になったことに助けられた」と語る。

青山店は「俺の」系列店史上最大面積で127席。うち椅子席55、立ち席72
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ゆったり座れるソファがあるテーブル席も
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奥は壁一面がオープンキッチン
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おなじみのジャズのライブ演奏のためのステージはこれまでの店よりもずいぶんゆとりがある
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