ファミリーレストランが不振といわれるなか、各社は「低価格化」「ファスト化」「専門店化」などさまざまな打開策を講じてきたが、最近ではジョナサンやココスが高級食材のフォアグラをウリにしたメニューを前面に出すなど、「大人化」という方向性が目立ってきた。

ロイヤルホストでは2000円前後のステーキがヒット

 その先陣を切ったのは、老舗のロイヤルホスト。黒毛和牛と黒豚を使った「黒×黒ハンバーグ」や低温乾燥熟成したパスタ、アンガス牛を使ったステーキなど、高級な素材を使ったメニューを打ち出し、好評を得ている。

 「高級素材を使うというより、味を追求した結果」と語るのは矢崎精二社長。同社では2011年からグランドメニューの全面改訂を年4回から1回に減らした。これは味の向上と安定化を図る目的があったという。

 もともとロイヤルホストでは、各店の厨房にいるコックが調理するのが基本。セントラルキッチンで加工した料理を温め直すスタイルに比べると質の高い料理を提供できるが、メニューが頻繁に変わるとコックは新たなレシピを次々に覚えなければならず、仕上がりにばらつきが出る可能性もある。そこで、コックの負担を減らし、調理の精度アップに集中させようというわけだ。

 そのなかでヒットしたのが、2012年12月に発売した「アンガス牛ステーキ」。30~40日間熟成させた肉をコックがオーダーごとにカットし、焼いたあとに肉を少し休ませてから提供するという手の込みようだ。ファミレスのステーキといえば熱々の鉄板にのって運ばれてくるのが定番だが、あえて皿を使うのはベストの火加減で提供するため。このステーキは発売当初、単品で2000円超とファミレスのメニューとしてはかなり高かったが、一時はファミレスの看板商品であるハンバーグを上回る売り上げを記録した。

「熟成ロイヤルアンガスリブロースステーキ」は8オンス(約230g)」が1869~1921円、11オンス(約310g)は2604~2761円(店舗によって価格が異なる)
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