1980年代のアイドルカーだったプジョー「205GTI」。そのリバイバルとも言われる「208GTi」は、果たして往年のアイドルに迫れたのか? もしくは新たなアイドルになれるのか? 小沢コージが確かめた。

【コンセプト】甘くて切ない“お車アイドル”復活劇

2013年7月1日に日本で販売開始となったプジョー「208GTi」
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 “アイドル”の復活は、いつの時代も甘酸っぱさでいっぱいだ。プリンセス プリンセス、ザ・ビーチ・ボーイズ、サザンオールスターズしかり……サザンは全然OKだが、ピンク・レディー復活はどうしようかと思った。見たいような見たくないような……。実際、怖いもの見たさがあることは間違いない。

 だからきっと理想は「あまちゃん」の小泉今日子なのだろう。最初から「アイドルのお母さん」という設定。しかも露骨にメイク薄めで、田舎っぽさ全開。

 でも、その開きなおりぶりが妙にリアルでうれしかったりする。ああ、俺たちと同じで、お父さんお母さんになってたんだ……そうだよねぇ……それでもまだキレイじゃん……みたいな(笑)。現実の中で発見できる妙にいいところ。つくづく宮藤官九郎は天才である。

どこかアカ抜けないクルマ版・能年玲奈ちゃん的!?

 閑話休題。今回の本題、新型プジョー「208GTi」だ。これは1980年代のアイドルカー、「205GTI」への問答無用のオマージュである。実際、205GTIはすごかった。1970年代に大ブームを巻き起こしたスーパーカーとは違い、ベースは大衆ハッチバックで、ちょっとパワフルなエンジンと硬めな足回り、鮮烈なカラーリングを施した等身大実用スポーツ。お値段もわずか290万円台と親しみやすく、販売数も世界で30万台とビッグヒットとなったわけ。

 言わば身長160cmほどの日本人的体型でありながら、顔はかわいく、歌は切なく、それでいて外国人ハーフというようなノリ。だから小泉今日子というより、ちょっとキャロライン洋子風でヒロコ・グレース的。強引にたとえれば今のトリンドル玲奈ぐらいの距離感の“お車アイドル”だったのかもしれない。

 そして今回の208GTiはまさしくその復活でありリバイバルだ。最新大衆ハッチバックのプジョー208の3ドアに、スポーツクーペ「RCZ」用のパワフルな直噴1.6Lターボを載せ、カラーリングやディテールを変えてある。ギアボックスはもちろん6MTのみ。だから正確には40代のキレイなお母さんになった小泉今日子というより、イマドキどこかアカ抜けないクルマ版・能年玲奈ちゃんではあるのだ。

 果たして208GTiは昔の味、いやコーフンを取り戻せているのだろうか?

205GTI
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■変更履歴
本文に誤りがありました。初出では「パワフルな直噴2Lターボ」 としていましたが、正しくは「パワフルな直噴1.6Lターボ」です。該当箇所は修正いたしました。お詫びして訂正いたします。[2013/8/01 16:00]