汗を素早く吸収し、急速に乾燥させる「吸汗速乾」は、スポーツウエアの代表的な機能。吸汗速乾をうたうスポーツウエアはスポーツブランドだけでなくユニクロのようなアパレルブランドでも展開されているように、高温多湿の日本では不可欠な存在となっている。

 そんな吸汗速乾ウエアの新しいトレンドが「快適な着心地」。吸汗速乾に肌触りの良さをプラスしたスポーツウエアが各ブランドからリリースされ、注目されている。

「ナイキ DRI-FIT TOUCH」

 ナイキはスポーツウエアでいち早く吸汗速乾性能の重要性を訴求してきたブランドのひとつ。そんなナイキが今シーズン打ち出したのが「DRI-FIT TOUCH」。従来よりも肌触りが良くて柔軟な素材を使用し、高い吸汗速乾性と快適な着心地を両立しているのが特徴だ。

 例えば「DRI-FIT TOUCH TAILWIND」というランニングシャツでは、カラーによって異なるが15~16%のコットンをポリエステルに混紡。従来のDRI-FIT採用ランニングウエアにはない優しい肌触りとなっている。実際に着用して走ってみると、綿素材のウエアに近い着用感で本当に着心地が良い。一般的なスポーツウエアとはあまりに異なる着心地に「これで本当に吸汗速乾が可能なのか」と心配になった。だが、ランニング中は決して不快になることはなく、走り終えたあとに汗が乾燥するスピードも遅くはなかった。見た目がカジュアルなのでこれを着てロードレースに出ようという気にはならないかもしれないが、普段街中を走るには最適なモデルといえるだろう。

「ナイキ DRI-FIT べイパータッチ テイルウインド クール S/Sトップ」(4515円)
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「NIKE FLAGSHIP STORE HARAJUKU」のディスプレイでも「ナイキ DRI-FIT TOUCH」を大きくアピール
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アンダーアーマー「チャージドコットン」

 吸汗速乾性ではアンダーアーマーも負けていない。運動中も汗でべとつくことがなく、アスリートが快適な状態で最高のパフォーマンスを発揮できるウエアを開発したいという創立者、ケビン・プランクの強い意志からブランドがスタート。吸汗速乾性と伸縮性に優れたスポーツ用インナーウエアを1996年に発表以来、世界のスポーツシーンで愛用者を増やしている。

 そのアンダーアーマーの製品のなかでも着心地の良さから注目を集めるのが「チャージドコットン」。メインマテリアルに肌触りの良い綿素材を使用し、撥水加工を施した綿糸と通常の綿糸を交互に編み込んでいる。生地の吸水面積を制限することで汗は横に広がって拡散し、通常の綿よりも素早く汗を発散するという独自のテクノロジーだ。

 チャージドコットンはポリウレタンを5%ほど配合することで伸縮性をプラスしているのも特徴。同社で温度29度、湿度10%の環境で30分過ごす実験を行った結果、チャージドコットンは通常の綿素材のシャツに比べて2倍の速さで汗を発散したという。筆者もチャージドコットンのTシャツを着用して6kmほどランニングしたが、化学繊維の吸汗速乾シャツよりも明らかにソフトな着心地が感じられた。汗の吸収も申し分ないレベルで、汗の発散に関してはポリエステルなどをメイン素材にしたもののほうが上だが、短距離であれば不快を感じるほどではなかった。10km、20kmというように長距離を走る場合は別として、軽いスポーツに臨む程度であれば、チャージドコットンの快適な着心地を選ぶユーザーも少なくないだろう。またスポーツの後に着用するのに最適なウエアともいえるだろう。

アンダーアーマー「UA チャージドコットンHGSS」(2730円)
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人工気候室でチャージドコットンと普通のコットンを着用し、温度29度/湿度10%の環境で30分過ごした結果、チャージドコットン(左)は普通のコットンより2倍の速さで汗を発散したという
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