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 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話キャリア3社の株主総会が相次いで開催された。

 各総会は2時間前後で終了。いずれの会場も出席者数は過去最高を記録し、キャリア各社に対する株主の関心の高さを裏付けている。

 今回、株主が注目したテーマは3社で異なった。

 ドコモの総会では夏モデルで展開したツートップ戦略などに関する質問が相次ぎ、KDDIでは連続して発生した通信障害や通信エリアの誤表示の問題が問われた。一方、ソフトバンクでは、米スプリント・ネクステル(以下スプリントと表記)の買収に株主の関心が集まっていた。

Xperia A、GALAXY S4のツートップ好調を主張したドコモ

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 ドコモは事業戦略のひとつに掲げる「モバイル領域の競争力拡大」のなかで、端末強化を推進。「わかりやすく、選びやすい」をキーワードに、夏モデルではドコモのツートップとしてソニー製のXperia A 、サムスン製のGALAXY S4に販促リソースを集中させて得られた成果を強調した。

 加藤薫社長は「Xperia Aは1カ月で約64万台を販売。GALAXY S4は約32万台を販売した」と販売実績を紹介。これに呼応するように、翌日に行われたソニーの株主総会ではソニーの平井一夫社長が「春モデルのXperia Zは6週連続でトップシェアを獲得し た」と発言。ツートップに指定された最新モデルのXperia Aは、発売以来、5週連続1位を獲得しているとして、両社でXperiaの好調ぶりを訴えている。

 スマートフォンのバッテリー寿命が短いのではとの株主からの意見に対し、「夏モデル全機種が、45時間以上使用できるようにした。約2日間利用できる」ことを挙げ、さらに「今年の冬モデルでは3日間バッテリーが持つモデル投入できないかと考えている」と語った。

KDDIは通信障害や誤表示問題の対処に追われる

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 KDDIの株主総会は終始、通信障害と誤表示問題に話題が集中した。

 まず田中孝司社長が開会宣言のあとに、通信障害について謝罪。「通信事業者として深く反省している。経営の最重要課題として取り組み、信頼回復に努める」と株主に頭を下げた。

 監査報告でも「通信障害および誤表示問題は、監査役会としても重く受け止めている。再発防止に向けたチェックを行っていく」と語るなど、株主からの質疑応答を含めて、終始この問題について触れる内容になった。

 au 4G LTEエリアの誤表示は、au総合カタログおよびホームページ上で、iPhoneで利用できるau 4G LTEエリアの実人口カバー率を、2012年度末(2013年3月)までに96%に拡大するなどの内容を表示。これに対して総務省からの行政指導と、消費者庁からの措置命令を受けていたという問題だ。

 総会では、現在のiPhone 5の実人口カバー率が75Mbpsでは20%に留まることを示し、今後、提供できるエリアを精査していくとした。37.5Mbpsの実人口カバー率は71%だが、こちらは2013年度末には80%に拡大するとし、「少しでも早く高速データ通信サービスを活用してもらえるように積極的なエリア拡大に取り組む」(両角寛文副社長)とした。

 また、通信障害の再発防止策に関しては、「年末年始および4月中旬の3件は、設定不備や運用・復旧手順不備などが原因のため、その再発防止対策を実施済み」とし、「4月末と5月末に発生した3件はLTEの基地局制御装置のソフトウェアバグなどが原因であり、現在、暫定対処をしている。8月末の完了を目指し、恒久対策を進めている」と説明した。

 田中社長は「スマートフォン時代、4G時代に見合った機能安全(フェールセーフ)の確立を基本方針とし、私を本部長としたLTE基盤強化対策本部を新設。抜本的改善を推進し、お客様に安心してご利用いただける通信ネットワークを提供していく」と語った。

 なお、「iPhone 5は、実人口カバー率を誇大表示と誤解されやすい表示にしてまで、販売しなければならない条件になっているのか」という質問に対しては、「実人口カバー率96%に関して、『iPhone 5を除く』と記載すべきところを『含む』と記載し、それを見過ごしてしまったものであり、誇大表示の意図はなかった。取引先との個別条件は非開示にしている」と回答した。