ドラマや舞台にも“翻訳”されている海外原作

2013年1月期ドラマの中でも抜群の話題性で成功を収める

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『カラマーゾフの兄弟』フョードル・ドフトエフスキー

 19世紀のロシアの地方都市を舞台に父親が殺された一家で行われる犯人探しを描いた、ロシア文豪の代表作。今年1~3月期には現代日本を舞台に置き換えた形で初めて連続ドラマとして映像化され、深夜帯にもかかわらず最高視聴率8.5%を記録した。

 原作では修道僧である三男がドラマでは精神科医を目指す医大生として描かれるなど原作の持つ宗教色や社会主義的要素を上手に外して現代日本にフィットさせた“翻訳力”に加え、俳優陣それぞれが見せた怪演や重めの演出にマッチした音楽などが類のない心理サスペンス劇としての魅力を生み出した。なお、父親を演じた吉田鋼太郎は、ザテレビジョンドラマアカデミー賞で助演男優賞を受賞した。
(光文社・古典新訳文庫/全5巻660~1080円)

明治から何度も翻訳された名作が日本を舞台にした演劇に

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『モルグ街の殺人』エドガー・アラン・ポー

 「史上初の推理小説」と称される不朽の名作は、パリで起きた母子殺人事件を解決する素人探偵の推理が冴える短編。探偵小説の原型を作ったとも言われている。2012年公開の映画『推理作家ポーの最期の5日間』のモチーフにも用いられるなど海外では何度も映画化されてきた名作が、この夏、現代日本へと舞台設定を変更して演劇化される。

 トウキョウ演劇倶楽部プロデュース公演「Moonlight Rambler~月夜の散歩人~」は、7月の六本木と8月の品川と場所を変えて8日間の舞台公演が予定されている。主演は、映画『GANTZ』などにも出演した本郷奏多。アクションシーンも見どころとのこと。
(『モルグ街の殺人・黄金虫』新潮文庫/515円)

(文/土田みき)