ダサいのにカッコいい! “のび太”のギャップにやられました

グッドモーニングアメリカ
『ファイティングポーズ』
01年、高校・大学時代の友人同士で前身バンドを結成するが、06年に一度活動を休止。07年に現在のバンド名に改名して、ライブ活動を再開する。メンバーは金廣(Vo)、渡邊(Gt)、たなしん(Ba)、ペギ(Dr)の4人編成。インディーズ時代に3枚のミニアルバムを発表し、12年10月にリリースされた1stシングル『餞の歌』は、事前の発売告知を一切せずに、限定2000枚を2週間で完売させた。
『ファイティングポーズ』は、今年5月8日にリリースされた1stフルアルバム『未来へのスパイラル』からのリードトラック。
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 この曲も、サビがものすごくキャッチーです……というか、AメロもBメロもみんなキャッチーだから、まるで曲全体がサビみたいじゃん(笑)。グリコのポッキーのCMソングに選ばれたというのも納得だね。

 さっきのSAKANAMONと同じで、この曲もリズムギターの音がほとんど聴こえなくて、その代わりにメインギターのおかずっぽいフレーズがいっぱい出てきます。今回の2曲に限らず、J-POPの男性バンドの曲には、ギターキッズだったらマネしたくなるような、シンプルだけど、弾くと気持ちいいフレーズがよく出てくるよね。さすが世界で一番“ギター好き”な日本ならではの現象です。

 バンドの演奏で、その他に目立っていたのはドラムです。普通のビートの“裏”っぽいリズムが多くて、ちょっとひねった作りになってるんだよ。間奏のパフォーマンスも内容が面白くて、細かいことを言うとチューニングが甘かったり、タイミングが怪しかったりもするけど(笑)、そういう「細かいことを気にしない」ノリも、このバンドの魅力だと思います。

WHITE ASH
『Velocity』
06年にバンドを結成。メンバーは、のび太(Vo/Gt)、山さん(Gt)、彩(Ba)、剛(Dr)の4人編成。10年、音楽情報サイト「RO69」のアマチュア・アーティスト・コンテストで優勝し、同年9月にミニアルバム「On The Other Hand, The Russia is…」でインディーズデビュー。12年7月にリリースされた1stフルアルバム「Quit or Quiet」は、第5回CDショップ大賞で「ニューブラッド賞」を受賞した。
『Velocity』は、今年5月22日にリリース予定で、メジャー移籍第1弾となる4thシングル。
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 このバンドは、なんといっても、ボーカルの「のび太」くんの存在感が最高だね。見た目は童顔で、本物の『ドラえもん』ののび太みたいにダサい感じなのに、いざ歌い始めるとかっこよくて、ソウルも溢れてるボーカルだから、その“ギャップ”に完全にやられました。

 バンド全体の演奏も、すごくハードだね。今回聴いた5つのバンドの中で、リズム的には一番シンプルなんだけど、その代わり、すごくタイトに引き締まってるじゃん。ギターのリフも攻撃的で、とんがったサウンドだから、ライブハウスで聴いたら、さらにかっこいいんじゃないかな。

 このバンドのもうひとつの注目点は、のび太くんが言葉の“響き”重視で書いているという“デタラメ英語”の歌詞です。はっきり言って、アメリカ人の僕からすると、100パーセント意味不明だけど(笑)、曲全体の雰囲気とは、なぜかマッチしてるんだよ。一体どうやって書いてるのかは謎だけど、天才的な言語センスだね。

著者

マーティ・フリードマン

 90年代、ヘビーメタルバンド、メガデスのメンバーとなりアルバムセールスを1300万枚超えの世界的なスーパーバンドへと導いたギタリスト。その後、J-POPに興味を持ち、メガデスを脱退。活動の拠点を東京に移し、ミュージシャンやプロデューサーとして活動している。11年9月には好評のJ-POPカバーアルバム第2弾『TOKYO JUKEBOX2』を発売した。発売中のSMAPの最新アルバム『GIFT of SMAP』(ビクター)では、木村拓哉のソロ曲『La+LOVE&PEACE』の作・編曲とギター演奏を担当するなど、他のアーティストへの楽曲提供、アレンジ参加など多数。日本の音楽や日本語の魅力について、外国人やミュージシャンならではの視点で様々なメディアにおいて語っている。「日経エンタテインメント!」の連載「J-POPメタル斬り」も大好評。公式ページはこちら