都内にコスプレ専用スタジオは300超もある!?

 そもそも、なぜコスプレ専用スタジオが必要なのだろうか。実はコスプレイヤーが頭を悩ます大きな問題の1つが「撮影場所」だという。

 「どうしても目立つから人目が気になる。かといってイベント会場などではほかの人が映り込んだりして満足のいく写真が撮れない」(大川さん)

 そもそもアニメの世界は宇宙空間といったような非現実的な設定も少なくない。時代も未来だったり戦国時代だったりとさまざまだ。その作品の世界観を再現するためのロケ地探しは非常に骨の折れる作業。運良く場所を見つけても、コスプレに理解のない管理者や所有者からNGを出されることもあったという。そんな“ロケ地難民”のコスプレイヤーにとってコスプレ専用スタジオは必要不可欠なものとなっており、「都内だけでも300超のコスプレ専用スタジオがある」(伊藤社長)。

 なぜこれほどまでにコスプレイヤーたちは写真にこだわるのか? 「コスプレイヤーにとって写真は全てといっていいほど重要。極端にいえば、そのコスプレイヤーの実物がどうあれ、写真がカッコよければいい。いかに本物のキャラクターに近づけるか、それの世界観が表現できるか、そのために妥協を許さないのがコスプレイヤーなのです」と大川さんは力強く語った。

 現在、スタジオの稼働率は3割程度だが、コスプレイヤーの撮影だけでなくCMの撮影やバラエティ番組のロケにも使われるようになったという。こういった流れもコスプレが一般化してきた大きな理由だろう。

 「印刷業界が縮小するなか、コスプレによってBtoBのビジネスからBtoCという新たな活路を見出せた。まだまだ規模は小さいが、市場はまだまだ大きくなると実感している」(伊藤氏)

大川さんがコスプレをするようになったのは、あるアニメのキャラクターのファンになったのがきっかけ。コスプレイヤーは好きなキャラクター自身になりたいタイプと、彼女や相棒など好きなキャラクターのパートナー的なキャラクターになって一緒に写真を撮りたいタイプに大きく分けられ、大川さんは後者だという
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(文/永浜敬子)