現存する最も高額で高貴なポケットナイフ「ヴィクトリア・コレクション」(2004年)。800粒のダイヤモンドを搭載、120本限定。価格は129,000フラン(ビクトリノックス製)(PHOTOPRESS/Kurt Schorrer)
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 スイスを代表する最も有名なアイテムは? と聞かれて迷わず“スイスアーミーナイフ”と答える人は多い。けれど、一般に“スイスアーミーナイフ”として通っているブランドが実は2つある、いや、あった。そのことまでを知っている人の数はぐっと少ない。

 「ビクトリノックス」と「ウェンガー」、スイスを代表する伝統ある2つの老舗がそれぞれ作り続けてきた“アーミーナイフ”は、ともにスイスアーミー公式のナイフに認定されているし、実際、外観も非常によく似ている。土産物屋さんなどで、どちらのブランドのものかということを認識することなく気軽に購入する人は実に多いのである。

 ところが2013年1月30日、ビクトリノックスがウェンガーの「ナイフ部門」を自社のブランドに統合すると発表した日から、一世紀以上にわたる両ブランドの併存の時代は終わり、スイスアーミーナイフといえば、ビクトリノックスのみ、という新しい状況が誕生した。

ウェンガーの歴史的逸品、ギネスブックにも載った「世界一大きなポケットナイフ」は87個のパーツ、141個の機能を搭載(PHOTOPRESS/Wenger)
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