みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの山田英次です。

 還暦を迎えようとしている田中さん夫妻は、前回のコラムで介護についてきちんと考えようと決意しました。

 読者の中にもそういう方は多いと思いますが、今まで給与天引きで意識することなく介護保険料を払ってきた浩二さんは、それがどのような意味を持ち、どの程度の安心感に変わるのかを考える機会がありませんでした。決められた制度だし必要なものなのかもしれないけど、それが自分や家族にどのように還元されるかを知らないまま、退職のときを迎えようとしているのです。

 しかし前回のコラムで見ていただいた通り、要支援・要介護認定者の人数は年々増加しています。介護が必要な事態に直面してから慌てることのないよう、今のうちにその制度や実態について理解を深めておくのが賢明だと思います。

浩二さん: 最近、介護、介護ってテレビや雑誌でやたらと目にする機会が増えたけど、そんなに大変な問題なのかな。
典子さん: そうねえ。昔は3世代、4世代が一緒に暮らしていることも多かったから、家族みんなでおじいちゃん、おばあちゃんの世話をしていたことも多かったみたいだけど……。バラバラに暮らすようになってからは、いろいろ問題が出てきているみたいよ。
浩二さん: そうかあ。たしかに、もし俺が介護状態になったら、面倒を見てくれるのは典子しかいないわけだから、その程度によってはかなりの負担になるよな。
典子さん: そのあと私も介護状態になったら大変よ。いったい誰が面倒見てくれるの?
浩二さん: そう考えると、かなり深刻な問題だよな。一郎や二郎に助けてもらうなんて、できれば避けたいよね。
典子さん: そりゃそうよ! あの子たちの負担は、私たちより重くなるのよ。消費税、相続税、それと所得税もだっけ? いろいろ上がるし、厚生年金保険料も上がっていくっていわれているじゃない? せめて、私たちのことは私たちで完結しないと。
浩二さん: そうだよな。 年を取ったらなおさら、親としてしっかりとした姿を見せていかなきゃな。まずは「介護の実態」を確認してみようよ。