バンコク最大の流行スポットは?

 私たちが最初に訪れたサイアム・スクエア周辺は、バンコクの流行発信地。日本の原宿のような場所です。バンコク随一の繁華街として、国内外の有名ブランドが300以上集まる「サイアム・パラゴン」、世界の名だたる高級ブランドが軒を連ねる「ゲイソーン」、国内外のファッション、コスメはもちろん、飲食店、映画館、ホテル、日系デパート「伊勢丹」も入ったタイ最大級の「セントラル・ワールド」など、大型高級ショッピングセンターが集中しています。服、雑貨、コスメ、家具、電化製品となんでもそろい、レストラン、食料品も充実しています。 最近は若者に人気のタイ人デザイナーによるローカルブランドのショップも増えているそうで、地元のセレブ、ファッションに敏感な若者、観光客で年中にぎわっています。

タイ、バンコクの経済状況は?

 1997年にバーツが大暴落したアジア通貨危機で一時は滞りましたが、その後回復し、07年までは比較的高い成長を続けました。それが08年には、内政の混乱とリーマン・ショックによる世界経済危機で景気が低迷します。実質経済成長率は、08年が2.6%、09年が-2.3%と大きく下がりました。これに対し、タイ政府が大規模な財政支出による景気刺激策をとり、輸出市場の景気回復の後押しもあって回復。2010年は再び、7.8%の成長率を記録しました。2011年は大規模洪水の被害から0.1%まで落ちるも、12年には、5.6%(推計値)まで伸ばしています。

 「ここ数年、物価は年に3~4%上がっている」(現地広告代理店社員)との言葉通り、消費者の物価指数は、09年104.5、10年108.0、11年112.1、12年115.7(12年は推計値)と右肩上がりです。失業率は0.4%と2010年後半以降低水準が続いています。

 給料は「年に5~10%上がっている」(同氏)ほどの好景気のなか、今年1月1日からは、政府の方針でタイの最低賃金の水準が全国一律1日300バーツ(約900円)に引き上げられました。この引き上げにともない、全体平均で14.9%も給料がアップしたそうです(「2012下期タイ国日系企業景気動向調査」より)。

 中間所得層の拡大はアジア全域でいわれていることですが、特にタイでは急増中です。世帯当たりの可処分所得が5001米ドル以上35000米ドル以下の中流家庭が、タイ人口の半数以上を占めています。経済発展によってタイの人たちの生活は向上し、確実に消費力をつけています。

 こういったなか、日系企業の進出も加速度的に増えています。タイ投資委員会(BOI)のまとめによると、12年に1年間に申請のあった日系企業のタイへの投資は国別トップで約1兆2400億円です。これまで日系企業にとってタイは、自動車や電気機器メーカーの製造拠点としての位置づけでした。それが今は、流通、サービス業が活性化し市場としての魅力が増しているのです。

出典:IMF - World Economic Outlook Databases