みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの山田英次です。

 さて、前回のコラムでは定年退職後の生活が始まろうとしている田中さん夫妻が、“第2の人生”の長さに気づきました。賃貸派の夫妻が悠々自適な生活を送るための費用は家賃を除いて月額25万円でしたが、はたしてこれは妥当な金額なのでしょうか。

 多くの人が抱く「月々いくらくらいの出費で生活していくのが適当なのか」という疑問ですが、この答えは明確には出ません。なぜなら、「あとどのくらいの時間が自分に残されているか」は誰にも分からないからです。このコラムをご覧いただいているみなさんも、これからの人生の残された時間、つまり余命はバラバラですから、“安心なライン”を決めることはできません。したがって平均寿命を少し過ぎても資産の底が見え隠れするレベルにならないよう、ゆとりをもった生活設計を行う必要があります。

 ただし、ゆとりあるセカンドライフをうまく設計できたとしても、予期せぬ大きな出費が発生して家計が一気に悪化することがあります。その原因の一つは、家族の誰かが介護状態になることです。

浩二さん: 幸い、2人そろって還暦を迎えられそうでよかったよな。同期のなかでは若いころの無理がたたって体壊したりしている人、いるからなあ。
典子さん: ちょっと、「2人そろって」って言うの、やめてよね! 浩二さんは来月から60代かも知れないけど、私は2歳年下なんだから、まだ50代よ!
浩二さん: おっと、ごめんごめん。それよりこの間、会社で退職者向けセミナーがあったんだけど、「介護の準備をしていますか?」なんて聞かれてドキッとしちゃったよ。
典子さん: で、なんて答えたの?
浩二さん: いや、特に何もやってないから、「介護保険料はずっと給与天引きで払ってきたから大丈夫だと思います」って言っておいたよ。
典子さん: で、なんて言われたの?
浩二さん: 「それだけじゃ足りなくなることも多い」って話で、こんな資料をもらったよ。
(イラスト/渡辺鉄平)
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