4Kテレビ、スマート家電、最新スマートフォン──米国時間の2013年1月8日から開幕した世界最大の家電展示会「2013 International Consumer Electronics Show(CES2013)」は、世界の主要電機メーカーから、最新のコンシューマー製品群が相次ぎ発表され、世界中の注目を集めるものとなった。

 その世界最大のコンシューマー向け家電のイベントにおいて、異例ともいえる動きをみせたのが、パナソニックであった。

パナソニックはなぜ「BtoB」を訴求したのか

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 というのも、今年のパナソニックの展示は、コンシューマー製品よりも、ビジネス向け製品にフォーカスした内容に終始していたからだ。

 パナソニックでは、開催初日の基調講演で同社・津賀一宏社長が登場。ここでは「みなさんにとって、パナソニックが、事業をやっているとは思われない領域で、どんな貢献をしているのかについて紹介する」として、航空機産業や自動車産業、医療分野、店舗ソリューションなどの事例を紹介。さらに、パナソニックブースでも、ビジネス用途にフォーカスした有機ELパネルや、20型4K Tabletなどを目玉展示と位置づけて展示していたのだ。CESなのにコンシューマー製品は脇役でしかなかったというわけだ。

 では、なぜパナソニックは、CESでBtoBを訴求したのか。

津賀一宏社長
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 その理由を同社・津賀一宏社長は次のように語る。

 「パナソニックはテレビメーカーであり、そのテレビ事業で苦しんでいるから、業績が悪化しているという単純な見方が多い。そうした見方に対して、パナソニックの本当の姿はこれであるということを正しく伝えたいと考えた」

 パナソニックの本当の姿を理解していないのは、北米市場だけではない。日本でも多くの人が誤解していると言える。そして、津賀社長は、「パナソニック社内においても同じ見方がある」とし、「社内に向けて、なにがパナソニックなのかということを発信する意味もあった」と語る。

 パナソニックに抱くイメージは、テレビメーカーであり、家電メーカーである。しかし、これらコンシューマー製品の売り上げ構成比は、パナソニック全体の3分の1に過ぎない。残りの3分の2は、BtoBによるビジネスだ(詳しくは下記グラフ参照)。

液晶テレビ、プラズマテレビ、デジタルカメラ、ブルーレイディスク/DVDレコーダー、パソコンなどを主要商品・サービスとするAVCネットワークスと、エアコン、洗濯機・乾燥機、冷蔵庫、温水洗浄便座、電子レンジなどを主要商品・サービスとするアプライアンスがコンシューマー製品となる(グラフでは赤色で示した)