若者は甘やかせ

原田:企業に求められるリーダー像のお話の次に、企業は若い社員に対してどう教育していくべきでしょうか?

内田:基本的には、若い人に対しては支援をするべき。型にはめたり抑圧したりしないで、好きなようにやらせる方がいい。大失敗しても、100人中2、3人、好き放題やって大化けする子が出れば十分帳尻が合う。今のままではゼロです。才能がある若者を潰している。今の日本はあまりに抑圧が強く、選択肢が限定されている。若者が試行錯誤することを、ある程度許す忍耐強さが必要。自分自身をよく見つめ、何がしたいのかを誰かに聞かないで、指図されないで考えてごらん、考えている間は周りの大人が生活の面倒くらい見てやろうじゃないか、といった具合です。

原田:就職氷河期で、学生たちは将来や就職先に悩みを抱えています。何かアドバイスはありますか。

内田:僕は就活したことがありません。卒業後にしたいことがなかったので、即、無職になりました。若者はなんとなくやりたいことをやればいいと思います。自分ではっきり根拠が分かっていなくても、なんとなくやってみたいというものがあるはず。それは大体、直感的に正解です。もちろん就活したかったらしてもいい。僕の場合は、企業に入りたくなかったのではなく、周りを見て、その人たちと一緒にやるのが嫌だと思っただけ(笑)。

原田:その選択が正しかったことを証明するために、がんばらないといけない。さっきおっしゃっていた理論ですね。

内田:食えない時間が長かったですが、それは仕方ない。1人で行くルートは、ある程度リスクが伴う。就職したのは32歳です。10年間バイト人生で収入不安定でした。

原田:その10年間で、自分の直感が違っていたと後悔したことはなかったですか。

内田:全くありません。時々夜中に不安になることはありましたが、卒業して無職になると、皆が気にかけてくれて半端仕事が次々と来た。放送作家にならないかとか、翻訳家にならないかとか、あと塾の講師や役者のオファーもありました。さまざまな仕事の手伝いをする中でだんだんと道を確立していきました。

原田:今、ニートやフリーターが多いですが、誰もがそういった仕事に恵まれるわけではありませんよね。

内田:基本的に仕事は真面目にやりました。どんなつまらない仕事でも真面目に取り組み、クオリティの高い仕事をしていると、必ず次が来ます。