市場に影響を与える独自アプリマーケットの参入も

 アプリマーケットといえば従来、プラットフォーム自身が提供するApp StoreとGoogle Playが、常に大きな注目を集めてきた。だが今年に入って、アプリマーケットに新たに参入する事業者が存在感を高めており、その動向にも変化が訪れようとしている。

 大きな動きの1つは「auスマートパス」だ。これは、auのAndroidスマートフォン向けに提供されているアプリマーケットだが、アプリを1本単位で販売するのではなく、月額390円で全てのアプリが利用し放題となっているのが特徴だ。2012年3月にサービスを開始して以降、同年11月20日には会員数が300万人を突破するなど好評を博している。

 もう1つ、最近起きた大きな動きとして挙げられるのが、2012年11月28日に提供を開始した、「Amazon Android アプリストア」だ。これは、米Amazonが提供するAndroid向けの独自マーケットで、Amazon.co.jpのアカウントをそのまま利用してアプリの購入などができるのに加え、日替わりで有料アプリを無料で配信するコーナーも用意されている。

 このマーケットが大きな影響をもたらすと考えられるのは、Amazonが近く、独自のタブレット「Kindle Fire」を提供するためだ。このタブレットの売り上げ動向次第では、Amazonのマーケットが大きな存在感を示す可能性も大いに考えられるのだ。

 ここまで見た通り、スマートフォンのアプリとそれを提供するアプリマーケットを取り巻く状況は、たった1年で大きく変化しており、今なお激しい変化の渦の中にある。それゆえ2013年もアプリシーンは大きな盛り上がりを見せ、2012年以上に注目を集める可能性が高いといえそうだ。

Amazonが提供を開始した「Amazon Android アプリストア」。Kindle Fireシリーズの販売動向次第では、大きな存在感を示す可能性もある
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著 者

佐野 正弘(さの まさひろ)

 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。