アプリ内課金で高収益、上場する企業も現れる

 今年のアプリマーケットの動向をひと言で言えば、「アプリで収益を上げるビジネスが確立された」ということだ。これまでは、アプリマーケットが大きく盛り上がる一方、激しい価格競争による低価格化の進行でアプリの有料販売が振るわず、スマートフォンのアプリで収益を上げるのが困難な状況が続いていた。

 だが、昨年からアプリ内でアイテムなどを販売する「アプリ内課金」の仕組みを用いたソーシャルゲームが徐々に高収益を上げるようになり、今年はその傾向が加速。App Store、Google Playいずれのマーケットにおいても、ソーシャルゲームを中心としてアプリ内課金を用いたゲームコンテンツが高い売り上げを示すようになったのだ。

 そしてその変化は、スマートフォンアプリを提供する企業にも大きな影響を与えている。一例を挙げると、オンラインゲームなどを手掛けるガンホー・オンライン・エンタテインメントが今年の2月に公開したゲーム「パズル&ドラゴンズ」が、400万ダウンロードを超え、現在もApp Store、Google Play双方の売り上げランキングで常にトップ3に入る存在となるなど大ヒットを記録している。同社は2012年第3四半期決算において、売り上げを前年比で1.8倍に伸ばしており、そこにはパズル&ドラゴンズの好調が大きく影響している。

 もう1つ、アプリの売り上げ拡大が大きな影響をもたらしたのがコロプラだ。同社は従来、位置情報を用いた「位置ゲー」に注力してきたが、今年投入した「秘宝探偵」「プロ野球PRIDE」など、スマートフォン向けのソーシャルゲームがヒットし急成長。2012年11月9日にマザーズへの上場が承認され、上場を果たすに至っている。

 もっとも、ゲーム以外のコンテンツで高い売り上げを上げているものはまだまだ少なく、ビジネスを展開する上でアプリマーケットが引き続き多くの課題を抱えているのは事実だ。だが長く「儲からない」と言われ続けたアプリビジネスに今年ようやく明るい光が見えたことに間違いはないだろう。

スマートフォン向けソーシャルゲームで人気を博したコロプラは、今年の東京ゲームショウにも出展。11月には上場を果たすなどスマートフォンアプリで業績を伸ばしている
[画像のクリックで拡大表示]